トスカーナワインの種類と特徴まとめ!一度は飲みたい銘柄だらけのイタリアワイン銘醸地
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トスカーナワインの種類と特徴まとめ!一度は飲みたい銘柄だらけのイタリアワイン銘醸地

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イタリアで最も有名といっていいワイン産地トスカーナ州。DOC、DOCG格付け数が50以上ある、超がつくほど有名な銘醸地です。

キャンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、スーパータスカンなど、馴染みのあるワイン銘柄がそろっています。

ヴィーノハヤシのイタリアワイン通信講座第7回は、そんなトスカーナ州のワイン。講座ではトスカーナを代表する白ワインとキャンティの赤ワインの2本が届きました。

トスカーナ州のワインについての紹介と、講座で届いたワインのテイスティングレポートです。

 

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トスカーナについて

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花の都フィレンツェを州都とするトスカーナ州は、西に地中海のティレニア海、東にアペニン山脈がある、ワイン生産に適した地域です。

キャンティ、キャンティ・クラッシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなど、イタリアを代表する有名なDOCG格付けのワインがいくつもあり、さらにボルドースタイルの新風スーパータスカン(スーパートスカーナ)を生んだボルゲリも有する一大ワイン産地です。

ルネッサンス時代を築いたメディチ家の功績で、貴族文化が栄華を極めた土地であるため、ワイナリーは貴族所有のところが多いのも特徴です。ワイナリー巡りがとても楽しくなりそうですね。

旅行の名所も多く、ピサの斜塔やポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)があります。また世界の重要文化財の3割がフィレンツェにあると言われていて、ミケランジェロ、ボッティチェリ、ラファエロなど、芸術を愛する人にはたまらない魅力的な街です。

トスカーナ州の有名ワインと生産地

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トスカーナワインを理解するにあたって、まず押さえておくべき主要な生産地と有名なワインは、次の3つ。

  • キャンティ(キャンティ・クラッシコ)
  • ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
  • スーパータスカン

DOCG格付けワインを多く抱えるトスカーナのなかでも、飛び抜けた知名度のキャンティと、高品質のキャンティ・クラッシコ。さらにブルネッロ・ディ・モンタルチーノの存在。ピエモンテ州のバローロ、バルバレスコと並ぶイタリア3大最高級ワインのひとつです。そして格付けに縛られないぶどう栽培と製法で、イタリア国内だけでなく、世界から注目を浴びる存在へとのし上がったワイン、スーパータスカン。

この3つを並べるだけで、トスカーナ州の凄さがわかります。

キャンティとキャンティ・クラッシコ

トスカーナのワインといえば、まずはキャンティキャンティ・クラッシコです。

キャンティはトスカーナの5県にわたる広範囲で造られます。そしてキャンティ・クラッシコはその中心部、フィレンツェとシエナの間にある「クオーレ・デル・キャンティ」と呼ばれるエリアで造られるワインです。1996年にDOCGとしてキャンティから独立してつくられました。

ところで40代以上くらいの方には、キャンティに粗悪な大衆酒のようなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。

かつてキャンティの知名度があがって世界中から注文が殺到するようになった際、「キャンティの名前つけときゃ売れる」みたいな状態になり、元の産地の周辺エリアでキャンティの生産が爆増しました。そして安価で質の悪いワインを平気でリリースする生産者によって、一時はブランド力を落としたのです。

この事態を重くみて、本来の産地であるキャンティ地方の中心部を区別し、品質の確かなワインに新たな格付けを与えました。それが「キャンティ・クラッシコ」です。

「キャンティ」にも、もちろん良いワインはあります。が、何も知らない状態で選ぶのであれば、「キャンティ・クラッシコ」から選んだ方が、良いワインに当たる可能性は高いといえます。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノもトスカーナ、またイタリアを代表する銘柄です。ピエモンテのバローロ、バルバレスコと並ぶ高級ワインとして紹介されることも多いです。

使われる葡萄はブルネッロサンジョヴェーゼ・グロッソとも呼ばれ、サンジョヴェーゼの突然変異種です。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを名乗るには、100%ブルネッロで造るよう定められています。

この葡萄は皮が厚く粒が大きいのが特徴で、良質なタンニンを備えたワインになります。味わいは力強く、典型的な長期熟成型です。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、最低4年の熟成期間、さらに2年間はオーク樽で熟成されるため、バニラやチョコ、シガー系の香りがする高級赤ワイン好きな方にはたまらないワインになります。

スーパータスカン(スーパートスカーナ)

イタリアワイン法を守ってDOCG格付けワインを目指すより、自分たちが本当に美味しいと思うワインを造る!という生産者が造ったワインが、イタリアだけでなく世界中で大ヒット。またたくまに一大ブランドになりました。

それがボルドースタイルで造るイタリアの新風スーパータスカンです。

カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど、イタリアの土着ぶどう品種以外の葡萄を使うため、格付けはテーブルワイン扱いです。でも味やお値段は最上級。今やスーパータスカンといえば、高級ワインを思い浮かべます。

スーパータスカンは、ボルゲリで造られます。ボルゲリは、トスカーナの西部沿岸ティレニア海に面した丘陵地で、非常に葡萄栽培に適したエリアです。

その高品質ぶりとあまりの人気に、先駆けとなった造り手サッシカイアには、1994年に「ボルゲリ・サッシカイア」のDOC格付けが与えられました。

トスカーナ州の有名ワイン生産者

イタリアの二大産地のひとつ、トスカーナ。優れたワインを造る生産者も数多く存在します。

そのなかから、おすすめのワイン生産者をご紹介します。多くは神の雫にも登場し、ワインが紹介されています。

バローネ・リカーゾリ

キャンティは、イタリア共和国の前の時代、イタリア王国の第二首相だったバローネ・ベッティーノ・リカーゾリ男爵が、礎を築きました。

その後1000年にも及ぶ歴史のあるワイナリーが、バローネ・リカーゾリです。途中人手に渡ったものの、32代目の当主フランチェスコ・リカーゾリが買い戻し、見事に復活させました。

キャンティ・クラッシコを飲むなら、まずは押さえておかないといけない造り手で、神の雫にも登場しています。

レ・コルティ

フィレンツェの伯爵家「コルシーニ」のワイナリーがレ・コルティです。

現当主であるドゥッチョ・コルシーニ氏により、葡萄とワインの品質向上に成功しました。

手頃な価格ながら、味は本格的で、神の雫にも登場しています。キャンティ・クラッシコを気軽に試したいなら、レ・コルティはおすすめできます。

フレスコバルディ

1100年代から続く名門フレスコバルディ家のワイナリーです。

所有する敷地は広大で、様々な場所で異なる銘柄を造っており、どれもが高品質です。

カステル・ジョコンド・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノが神の雫に登場しました。怪物ブルネッロと呼ばれ、飲む価値ありのワインです。

テヌータ・サン・グイード(サッシカイア)

スーパータスカンを世界中で有名にした立役者がサッシカイアです。造り手の名前はテヌータ・サン・グイド

サンジョヴェーゼ命の伝統的なトスカーナのワイン造りに縛られず、自由な発想でボルドースタイルを取り入れたことで、人気化しました。

なお、サッシカイアに使われるカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木はボルドーの五大シャトーの筆頭、シャトー・ラフィット・ロートシルトから持ち込んだものです。

ボルゲリ地区がスーパータスカンとして有名になったのは、サッシカイアあってこそ。1994年にはイタリアで唯一の単独DOCとして「ボルゲリ・サッシカイア」が認定されました。

1社の1ワイン銘柄だけを対象に、イタリアワイン法のワイン銘柄として登録されたわけで、これはすごいことですね。

何はともあれ、イタリアワインを飲むなら一度は飲んでおかねばならないワインです。セカンドやサードも出していますが、やっぱりサッシカイアがいいですね。当たり前ですけど。

アンティノリ

トスカーナだけではなく、イタリア全土にワイナリーを所有する巨大メーカーがアンティノリです。

最高級ワインからテーブルワインまで、何でもそろいますが、スーパータスカンのソライアティニャネッロが特に有名です。

本当にたくさんワインを造っているので、知らずに飲んでいることもあるのではないかと思います。

オルネライア

サッシカイアと並んで、スーパータスカンの二大巨頭といわれるオルネライア

サッシカイア、アンティノリと血縁関係にあり、協力して作り上げたともいえるワイナリーです。

サッシカイアよりもメルロー比率が高いのが特長です。

レ・マッキオーレ

伯爵家など、もともと貴族所有だった名門ワイナリーが多いボルゲリ地区のなか、地元の農家が作り上げたワイナリーがレ・マッキオーレです。

パレオ・ロッソが有名で、神の雫では第2巻というごく早期に登場しています。

また、レ・マッキオーレ・ボルゲリ・ロッソは、料理との相性がテーマの「神の雫最終章〜マリアジュ〜」に登場し、イカの塩辛に合う大変珍しいワインとして登場しました。一度試してみる価値ありです。

トゥア・リータ

家族経営の小さなワイナリーながら、世界中にファンを持つトゥア・リータレディ・ガッフィがその品質で超有名です。パーカーポイント100点を取ったこともあるワインです。

2000円前後で買える、トゥア・リータ・ロッソ・ディ・ノートリもおすすめです。どちらも神の雫に登場しています。

ヴィンサント

造り手の名前ではありませんが、トスカーナの代表的な甘口ワインヴィンサントをご紹介。

聖なるワインと呼ばれ、トスカーナのキャンティ地区で造られるものが有名です。

イタリアでは、陰干しした葡萄から造る甘口ワインをパッシートと呼び、そのうちのひとつがヴィンサントです。凝縮した味わいがなんとも言えない優雅さ。甘口ワイン好きならずとも、一度は味わっておきたいワインです。

トスカーナ州の主なぶどう品種

イタリアで最も重要なワイン産地のひとつ、トスカーナ。ぶどう栽培に適した地形で、最高品質のワインを数多く生み出しています。

代表的なキャンティを造るサンジョヴェーゼカナイオーロブルネッロ、そしてスーパータスカン(トスカーナ)と呼ばれるボルゲリ地区のカベルネ・ソーヴィニヨンなどを紹介します。

サンジョヴェーゼ

イタリアワインといえばサンジョベーゼというくらい、イタリアを代表するぶどう品種です。品種ごとの国内栽培面積もイタリア1位。もちろん世界でも最大の産地になります。

特にトスカーナではキアンティをはじめ、キャンティ・クラッシコブルネッロなど多くのサンジョヴェーゼ銘柄がDOCG認定されています。

イチゴのような果実、強めの酸味とタンニンがあり、長期熟成に耐えるワインを造ります。

突然変異を起こしやすい品種で、クローンが多くあり、同じサンジョヴェーゼとはいっても味わいは大きく変化します。ちなみにブルネッロもサンジョヴェーゼの別名です(サンジョヴェーゼ・グロッソ)。

サンジョヴェーゼを使った主なワイン銘柄

サンジョヴェーゼから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

キャンティ Chianti(DOCG)
キャンティ・クラッシコ Chianti Classico(DOCG)
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ Brunello di Montepulciano(DOCG)
カルミニャーノ Carmignano(DOCG)
モレッリーノ・ディ・スカンサーノ Morellino di Scansano(DOCG)
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ Vino Nobile di Montepulciano(DOCG)
ヴァル・ディ・コルニア・ロッソ Val di Cornia Rosso(DOCG)
モンテクッコ・サンジョヴェーゼ Montecucco Sangiovese(DOCG)

カナイオーロ

キャンティを造る際、サンジョヴェーゼの補助品種として使われるのがカナイオーロです。香り付けと、まろやかにするためにブレンドします。

現在では主にブレンド用のマイナー品種ですが、カナイオーロをメインにしたワインもあります。有名なビービー・グラーツもカナイオーロ100%のワインを造っています。

カナイオーロを使った主なワイン銘柄

カナイオーロから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

カルミニャーノ Carmignano(DOCG)

※カルミニャーノはサンジョヴェーゼが50%以上

カベルネ・ソーヴィニヨン

言わずと知れたメジャー国際品種カベルネ・ソーヴィニヨン。トスカーナでは伝統にとらわれないボルドースタイルを取り込んだ「サッシカイア」の成功で、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー主体のスターワインが次々と生まれました。現在ではスーパータスカンと呼ばれ、世界中で人気の高級ワインが多くあります。

味わいはカシスに代表される香りに、パワフル、重厚な味わい。そして長熟。フルボディ赤ワインの代名詞と言っていいくらい、最高品質のワインを造るぶどう品種です。

カベルネ・ソーヴィニヨンを使った主なワイン銘柄

カベルネ・ソーヴィニヨンから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

ボルゲリ Bolgheri(DOC)
ボルゲリ・サッシカイア Bolgheri Sassicaia(DOC)
スヴェレート Suvereto(DOCG)

※DOCボルゲリ・サッシカイアは、サッシカイアだけで名乗ることが認められた唯一の単独DOC

ヴェルナッチャ

トスカーナを代表する白ワイン、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノを造るぶどう品種がヴェルナッチャです。

パイナップルやハーブの繊細な香りを持ち、心地よい酸味と清涼感のある白ワインになります。

ヴェルナッチャを使った主なワイン銘柄

ヴェルナッチャから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ Vernaccia di San Gimignano(DOCG)

ヴェルメンティーノ

トスカーナ沿岸のボルゲリ地区で栽培されている白ワイン用葡萄がヴェルメンティーノ。リグーリア州やサルデーニャ島、そしてフランスのコルシカ島といった、地中海沿岸部で造られます。

レモンやグレープフルーツなど柑橘系の香りが特徴で、爽やかで親しみやすい酸味があります。ライトボディで軽めにスルスルと飲めるワインとなります。

ヴェルメンティーノを使った主なワイン銘柄

ヴェルメンティーノから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

カンディア・デイ・コッリ・アプアーニ Candia dei Colli Apuani(DOC)
ボルゲリ・ヴェルメンティーノ Bolgheri Vermentino(DOC)
リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ Riviera Ligure di Ponente(DOC)

リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテは、リグーリア州のワインで、イタリアワイン通信講座第1回で飲みました。

アレアティコ

希少な甘口赤ワインを造るぶどうがアレアティコです。

バラや紅茶の豊かな香りがあり、なんとも言えない魅惑的なワインに仕上がります。

イタリアには、葡萄を陰干しして糖度を高める(水分を減らす)ことで、甘口ワインを造る製造方法「パッシート」があります。

トスカーナ州には、アレアティコを使ったパッシートであるエレバ・アレアティコ・パッシートが有名です。

アレアティコを使った主なワイン銘柄

アレアティコから造られる代表的な格付けワインは、以下のものがあります。

エルバ・アレアティコ・パッシート Elba Aleatico Passito(DOCG)

トスカーナのワインをテイスティング

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講座で送られてきたトスカーナワインは、イタリアを代表する赤ワインのキャンティと、これまたトスカーナの白ワインを語るなら欠かせないヴェルナッチャです。

赤ワインの生産者はピエトロ・ベコンチーニ。白ワインは、イル・コロンバイオ・ディ・サンタ・キアーラです。

キャンティ・リゼルヴァ “ピエトロ・ベコンチーニ” / Chianti DOCG Riserva “Pietro Beconcini”
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ “セルヴァビアンカ” / Vernaccia di San Gimignano DOCG “Selvabianca”

イタリアを代表する名醸地で、林ソムリエがどんなワインをセレクトしたのか。さっそく飲んでいきます。

ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ “セルヴァビアンカ”

Vernaccia di San Gimignano DOCG "Selvabianca"

まずは白ワインからです。銘柄はDOCG ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ。トスカーナを代表する白葡萄ヴェルナッチャ100%のワイン。

造り手のイル・コロンバイオ・ディ・サンタ・キアーラは、2003年に初めてワインをリリースした、新しいワイナリーだそうで。飲むのは初めてです(たぶん)。

講座についてくるワイングラスで飲み比べます(写真左が1番)。

  1. ヴィーニャ・ワイン(型番:110485)
  2. ヴィーニャ・ボージョレ(型番:116506)
  3. ヴィーニャ・ブルゴーニュ(型番:110499)
  4. ヴィーニャ・ウォーター/ワイン(型番:110459)

グラスに注ぐと、ちょっと緑がかった淡いイエロー。レモンとハーブの香りが漂います。

この段階では1番のグラスが最も強く香ります。小ぶりグラスなのに意外。味わいは、綺麗な酸味とグレープフルーツのような苦みがあり、清涼感のあるワインです。

ボルドー型(1番と4番)だと、舌にピリピリくる刺激があります。膨らみを持たせたブルゴーニュ型(2番と3番)は、刺激は少なめ。

そして、酸味が前に出るのは小ぶりなグラス(1番と2番)、酸味が丸くなるのは大ぶりグラス(3番と4番)です。

Vernaccia di San Gimignano DOCG Selvabianca-2

うーむ、どのグラスがいいかは好みがわかれそうですねえ。私はすべての要素が感じられる4番の大ぶりボルドータイプのグラスが好みでした。後味に残る、グレープフルーツのような苦みも一番強かった。これが好きかどうかでしょうかね。

林ソムリエは、香りにパイナップル、グレープフルーツ、タイム、ういきょうをあげていました。「ういきょう」って何やねん?と思ったら、フェンネルなんですね。「ハーブ」というおおざっぱな表現から、もうちょっと細分化できるようにならねば。

キャンティ・リゼルヴァ “ピエトロ・ベコンチーニ”

Pietro Beconcini

さて次はキャンティです。造り手はピエトロ・ベコンチーニ

キャンティはDOCG認定になっていますが、生産量が恐ろしく膨大なうえ、葡萄の混合規定もゆるめなので、同じ銘柄とは思えないワインがたくさんあります。

そのため、私は自分でキャンティ銘柄を選んで新規開拓することはほぼないです。キャンティ飲みたいならキャンティ・クラッシコから選びます。より生産規定が厳しく、統制が取れていると思うので。

だから、今回講座でDOCGキャンティが送られてきたのは逆に嬉しいです。新たなワインとの出会いが嬉しいし、イタリアワイン講座としておすすめできるキャンティが来たってことですから。

Chianti DOCG Riserva "Pietro Beconcini"

  1. ヴィーニャ・ワイン(型番:110485)
  2. ヴィーニャ・ボージョレ(型番:116506)
  3. ヴィーニャ・ブルゴーニュ(型番:110499)
  4. ヴィーニャ・ウォーター/ワイン(型番:110459)

さて、テイスティングです。講座についてくる4種類のワイングラスで比較します。

色はガーネットで、粘性がそこそこあります。キャンティってサラサラしているイメージでしたが、結構濃い。

香りはバラとイチゴが強く、獣のにおいもそこそこ。野性味溢れるワインといったところです。

味わいは、酸味がしっかり前に出てきて、タンニンも十分で飲み応えがあります。後味に甘味と苦みがきますが、わりとスッと引いていきます。全体的にまろやかで、クドさが残らない良いワインです。

林ソムリエは、木イチゴ、スミレ、甘草、タバコ、けものの香りを取っていました。あれ?バラじゃなくてスミレかー。

あと、サンジョヴェーゼに感じる、ジューシーでジャムっぽい野性味のあるイチゴは、木イチゴの香りってことでいいのかな?実際の木イチゴって、あんな香りしたっけなあ、といつも思います。

合うグラスは1番の小ぶりのボルドータイプ。ブルゴーニュ系が合いそうと思っていたのですが、なんか香りがしぼみます。素直に果実味を楽しめるのが1番のグラスでしたね。

そういえば、キャンティは「キアンティ」が正しい表記だと何かで見た気がするんですが、もうだいたい「キャンティ」しか見ないですね。書き言葉も「キャンティ」の方になったんですかね。

イタリアワイン講座第7回のカリキュラム

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ヴィーノハヤシ通信講座第7回のカリキュラムです。トスカーナだけでなく、イタリア全土の料理や特産物についてまとめてあります。

たとえば「パスタ」といってもイタリア北部と南部、また州ごとに特色があるのがわかります。

  • イタリア料理について
  • オリーブ・オイルとバターについて
  • パスタと米について
  • 野菜類・菌類・果実類・ハーブ類について
  • 肉類・食肉加工品・魚介類・水産加工品について
  • イタリア郷土料理の地域性
  • トスカーナ州について(エリア説明)
  • トスカーナ州について(ぶどう栽培)
  • トスカーナ州について(キャンティ)
  • トスカーナ州について(ボルゲリ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)
  • トスカーナ州を代表する銘柄
  • ソムリエの操縦法(コラム)
  • ワイン持ち込みの心得
  • アッビナメントのヒント(基本編)

このほか、今月のワイン生産者の「イル・コロンバイオ・ディ・サンタ・キアーラ」と「ピエトロ・ベコンチーニ」について説明があります。

さすがピエモンテと並んで有名ワインを産出する州です。教材の作り込み方もめっちゃ気合い入っています。

この回は、「ワインと料理のアッビナメント(相性)」がテーマなので、フランスでいうところのマリアージュについての説明が多く出てきます。今後は料理と合わせることでも、イタリアワインを楽しめそうです。

 

料金や特典など、最新情報のチェックはこちらで
【Vino Hayashi公式】自宅で学べるワイン通信講座

 

ワイン講座全体の内容、同梱のワイングラスの説明などはこちらの記事を。

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