世界のファッションの中心地ミラノが州都のロンバルディア州。ワインの生産量は、イタリア全土のなかで多い方ではないですが、DOCG、DOCに認定されているワインが多くあります。量より質、高品質のワイン産地として有名ですね。
ミラノ風カツレツやリゾットなど、高いレベルの食文化とともに発展してきたロンバルディアのワイン。フランチャコルタやモスカート・ディ・スカンツォといった5つのDOCGや、ガルダなどのDOCが21あります。ミラノを囲むように、車で1時間程度の場所にいくつもワイン産地があり、旅行にも適しています。
ヴィーノハヤシのイタリアワイン通信講座第6回は、そんなロンバルディア州のワインがテーマ。
届いた2本の試飲ワインは、スプマンテとデザートワインという変化球です。さっそく内容をレポートします。
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【Vino Hayashi公式】自宅で学べるワイン通信講座
イタリアワイン通信講座全体の内容・ワイングラスについて
イタリアワイン通信講座第1回(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)
イタリアワイン通信講座第2回(ピエモンテ州)
イタリアワイン通信講座第3回(リグーリア州/ヴァッレ・ダオスタ州)
イタリアワイン通信講座第4回(エミリア-ロマーニャ州)
イタリアワイン通信講座第5回(ヴェネト州/フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州)
イタリアワイン通信講座第6回(ロンバルディア州)
イタリアワイン通信講座第7回(トスカーナ州)
イタリアワイン通信講座第8回(マルケ州/ウンブリア州)
イタリアワイン通信講座第9回(アブルッツォ州/モリーゼ州)
イタリアワイン通信講座第10回(サルデーニャ州/シチリア州)
イタリアワイン通信講座第11回(ラツィオ州/カンパーニア州)
イタリアワイン通信講座第12回(偉大なワイン/バジリカータ州/カラブリア州/プーリア州)
・ヴィーノハヤシインタビュー記事
ワインのサブスクで成長中!ヴィーノハヤシで聞いてきた
世界のワインが旅マガジン付きで届く!「ワインプラネット」中の人に聞いてみた
目次
ロンバルディア州のワインをテイスティング
第6回イタリアワイン通信講座で送られてきたワインは、スプマンテと甘口ワインです。
赤白のスティルワインじゃないパターンで攻めてきていますね。
ロンバルディア州はなんといってもDOCGフランチャコルタが超有名なワイン銘柄ですが、試飲するスプマンテはフランチャコルタじゃなかったですね。
自信の表れなのか、さて。
ガルダ・シャルドネ・スプマンテ “ブリオ”
まずはスプマンテ(スパークリングワイン)からです。
シャルドネ100%の「ガルダ・シャルドネ・スプマンテ “ブリオ”/Garda DOC Chardonnay Spumante “BRIO” NV」。造り手はペルラ・デル・ガルダです。
いつもどおり講座についてくる4種類のワイングラスで比較します。
色は少し緑がかったイエローで淡い感じです。香りはレモンですね。なんか他にもあるのですが、言葉で表現できるのがこれしかなく……。ツンとくる感じではなく、上品にふわっと香ります。
おお、味わいはまず蜂蜜のような甘さがきます。後から酸味がくるのですが、さきに甘味があるので、尖った感じがありません。
炭酸もビリビリしているわけではなく、しっとり絡んでくるので心地良いです。
なんとなくイタリアワインっぽくない?ような感じがしますね。ハツラツとした楽しさより、しっとり上品に飲むタイプです。
ワイングラスは一番左の「小さめのチューリップ型」が合います。大きめのボルドータイプもいいのですが、香りと果実味がぎゅっと小さくまとまった方が美味しく感じました。ボージョレやブルゴーニュタイプは、香りも味もぼやけてしまったのでナシです。
生産者のペルラ・デル・ガルダは、2003年開業という新しめのワイナリーで、施設のデザイン性が高くおしゃれ。ヴィーノハヤシのYoutubeチャンネルに動画があります。
綺麗なワイナリーですねー。ガルダ湖周辺はミラノから日帰りできる距離です。イタリア旅行される方は、ミラノ観光のプランに加えてみてはどうでしょうか。
アルト・ミンチオ・パッシート・ビアンコ “レ・チーメ”
2本目のワインは甘口デザートワインです。「リッキ/RICCI」の「アルト・ミンチオ・パッシート・ビアンコ “レ・チーメ”/Alto Mincio IGT Passito Bianco “Le Cime”」。名前が長いですが、リッキのレチーメと覚えておけば大丈夫です。
使用ぶどうは、ソアヴェの元になる「ガルガーネガ」と「モスカート・ジャッロ」が半分ずつです。マスカット(モスカート)独特の甘い香りっていいですよね。
講座についてくる4種類のワイングラスで比較します。
さて、香りを取ります。おおお!レモン、アプリコット、紅茶、蜂蜜、南国のフルーツなどたくさんの香りがします!これすごいな。
味わいは当然甘いのですが、すっきりした酸味が加わっているので、くどく感じません。とろみがあるのに、サラサラと舌を流れていきます。そして感じる幸せな甘味。高レベルでまとまっているワイン。旨いですこれ。
林ソムリエの取った香りは、「杏、きんかん、オレンジピール、紅茶」。うむ、だいぶ近くなってきた。オレンジピールがわからなかったけど、他はだいたいOKでしょう。
抜栓後も1ヶ月は冷蔵庫保存でき、カカオの強いチョコレート以外であれば、デザート全般に合うとのことで、これ1本でかなり活躍しそうなワインです。
あ、合うグラスは一番左、「小ぶりのチューリップ型」です。香りが一番凝縮されます。小さめのグラスで少しずつ飲むのが美味しいですね。2番目のボジョレー型も、より甘味が強調されて、これもなかなか良いのですが、よりワインとしての美味しさを感じられるのは1番でした。
フランチャコルタについて
イタリアを代表するスプマンテ(スパークリングワイン)がフランチャコルタで、ロンバルディア州ブレーシアのイゼオ湖周辺で造られます。格付けはもちろん最上位のDOCG。
フランチャコルタは、シャンパーニュと同じく瓶内2次発酵で造られる非常に高品質なスパークリングワイン。熟成期間はシャンパンよりも長い18ヶ月〜60ヶ月以上と規定されています(シャンパンは15ヶ月以上)。
フランスのシャンパーニュ、スペインのカヴァ、そしてイタリアのフランチャコルタを合わせて世界3大メトド・クラッシコとも呼ばれます。メトド・クラッシコは瓶内2次発酵のことです。タンクでまとめて発酵させるより手間がかかるんですが、泡のきめ細かさなど、品質が変わってきます。
フランチャコルタの有名生産者
シャンパーニュと並んで世界に愛好家がいるフランチャコルタ。原産地と製造方法が厳しく規定されたこのワインは、120軒のワイナリーが生産しています。
日本でも買える、有名な生産者をご紹介します。すべて神の雫にも登場した生産者です。
ベラヴィスタ
フランチャコルタを知るなら絶対に飲まなければならないのがベッラヴィスタです。
クリーミーで花の香りが特徴的なスタンダード・キュヴェ、「アルマ・グラン・キュヴェ・ブリュット」はボトルのデザインと共に超有名。神の雫にも登場しています。
他にもラインナップはありますが、まずはこれから。泡好きなら後悔はしません。
カ・デル・ボスコ
カ・デル・ボスコもフランチャコルタの最高峰としてベラヴィスタに並ぶ人気の生産者です。
スタンダードのフランチャコルタ・キュヴェ・プレステージは、神の雫にも登場し、主人公に「頭一つ抜けている」と評されたワインです。
コンタディ・カスタルディ
瓶内2次発酵40ヶ月という超長期熟成の「ゼロ」が有名な、コンタディ・カスタルディ。これで約5000円という値付けは驚異的です。
神の雫では「ピッツォケリ(蕎麦のパスタ)」に合わせていました。シャープな酸も心地良い、上質のワインです。
イタリアワイン講座第6回のカリキュラム
ヴィーノハヤシイタリアワイン通信講座第6回、ロンバルディア州のカリキュラムです。
発泡性ワインのスプマンテと、甘口ワインについての説明に大きくページを割いています。
- スプマンテ
- メトド・クラッシコの製造工程
- メトド・シャルマ(マルティノッティ)の製法
- 酒精強化ワイン
- グラッパ
- ヴィーノ・ドルチェ(デザートワイン)
- ロンバルディア州について(エリア説明)
- ロンバルディア州について(ぶどう栽培)
- ロンバルディア州について(代表銘柄)
- 食前酒と食後酒(コラム)
- テイスティングのヒント(スプマンテ編/甘口ワイン編)
このほか、今月のワイン生産者「PERLA DEL GARDA(ペルラ・デル・ガルダ)」と「RICCHI(リッキ)」の説明があります。
この講座はイタリアワイン講座ですが、スパークリングワインや甘口ワインの説明には、フランスのシャンパーニュなども合わせて解説されます。
その地域のことを知るには、よそとの比較が必要です。というか、他との比較によってしか、そのものの特長を知ることはできませんよね。
ここまでで約半分を受講しましたが、イタリアワインを題材としながらも、ワイン全体をきっちりと学べるいい講座です。ワインもおいしいです。
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ワイン講座全体の内容、同梱のワイングラスの説明などはこちらの記事を。
イタリアワイン通信講座全体の内容・ワイングラスについて
イタリアワイン通信講座第1回(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)
イタリアワイン通信講座第2回(ピエモンテ州)
イタリアワイン通信講座第3回(リグーリア州/ヴァッレ・ダオスタ州)
イタリアワイン通信講座第4回(エミリア-ロマーニャ州)
イタリアワイン通信講座第5回(ヴェネト州/フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州)
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イタリアワイン通信講座第7回(トスカーナ州)
イタリアワイン通信講座第8回(マルケ州/ウンブリア州)
イタリアワイン通信講座第9回(アブルッツォ州/モリーゼ州)
イタリアワイン通信講座第10回(サルデーニャ州/シチリア州)
イタリアワイン通信講座第11回(ラツィオ州/カンパーニア州)
イタリアワイン通信講座第12回(偉大なワイン/バジリカータ州/カラブリア州/プーリア州)
・ヴィーノハヤシインタビュー記事
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