ワインはデリケートな飲み物で、光や温度、さらには振動にも弱く、ワインセラーで適切に保管しないと味が変化してしまいます。
特に日本の夏は暑く、きちんとワインセラーで保管しないと、まず間違いなく劣化します。ワインをネットでまとめ買いしたときや、贈り物で高級ワインをいただいたときなど、常温保存は絶対にNGです。
結局どのワインセラーを選べばいいのか
以前、知り合いにそこそこ良いワインを贈ったことがあるのですが、数年たってからお家に招いていただいた際に、キャビネットに飾られているのを見て変な声が出たことがあります。
もちろん悪気などなく、むしろ私からの贈り物を大切に飾っていただいているのですが、そのお気持ちは逆効果でして……。結局そのことは言えずじまいだったのですが、いつか彼らがあのワインを開けたときに、「もらったワインあまりおいしくないね」などと言われるのだろうなあと思うと、かるく悶絶してしまいます。
上記は伝えなかった私が悪いのですが、ワインの保存にはやはりワインセラーが必要です。昔はそれこそ数十万から何百万円という価格でしたが、今は家庭用ワインセラーが普及してきて、かなり気軽に買えます。
1万円台のワインセラーまであり、デイリーワイン保存用として買っても問題ない価格です。ワインセラーがあれば、ワインがネットで安いときに大量買いして保管できるので、むしろコストが下がります。
本格的に暑くなる前に、ワインセラーの選び方のポイントをおさえてワインセラーを買ってしまいましょう。ワインセラーの選び方をご紹介します。
目次
ワインセラーとワインクーラーの違い
まず押さえておきたいのが、ワインセラーとワインクーラーという呼び名の違いです。
簡単にいうと温める機能があるかどうかです。加温と冷却、どちらもできるのがワインセラー、冷やすだけなのがワインクーラーです。ですが、ショップではワインクーラーであってもワインセラーと表記してあることがほとんどです。
- ワインセラー:温める機能がある
- ワインクーラー:温める機能がない
ちなみに卓上で氷を入れてワインを冷やしておく入れ物のことも、ワインクーラーと呼びます。そういえばワインクーラーというカクテルもありますね。実にややこしい。
バケツのような卓上ワインクーラーはこんなやつです。
SALUS アクリル ワインクーラー ウェーブ
ワインセラーは温度と湿度を一定に保つことを目的に使われます。気温が30度を超えたり、氷点下になったりするのは、ワインの劣化原因になります。
暑さ対策は絶対に必要ですが、寒さ対策は判断がわかれるところです。「冬場は冷蔵庫でものを温める」という試される大地北海道のような気候でなければ、私は寒さ対策は必要ないと考えています。経験上、冷蔵庫での長期保存でもほとんど劣化はみられないためです。
ただ、完全に凍ってしまった場合は味の劣化があるという見方が多いので、冬場に氷点下が続く地域にお住まいの方は加温機能付きのワインセラーの方がよいと思います。
ワインセラーの保管本数を考える
まずワインを何本くらい保管したいかを考えます。ワインセラーのランキングをみると、12本用のワインセラーが売れ筋のようです。(Amazonは同じシリーズの本数違いを1商品としてカウントしてしまっていますが)
私はワインを買うとき、楽天などのネットショップでポイント還元が高いときや、ワインのセールをやっているときにまとめ買いするので、12本では足りませんでした。
現在は12本入りのワインセラーにプラスして30本用ワインセラーを購入して運用しています。最初から50本以上のものを買っておけばよかったとも思っていますが、その時は12本でいけると思っていたので仕方がありませんね……。(さらに今は3台あります……)
現在の私としては、最初から24本以上のワインセラーを購入することをおすすめします。
ワインを買う際、まとめ買いで12本まで送料同じというショップは多く、まず12本以上は必須。それから忘れがちなのですが、ワインを買うときって全部飲みきる前に発注しませんか?つまり12本入るワインセラーに3本残っている状態で次のを買おうとすると、12本まとめ買いはできないわけです。
さらに、あまりパンパンに詰めると庫内の冷却環境に影響がでるので、適度にスキマをあけるようにすることを考えると、やはり想定より大きめのサイズが必要になります。
ちなみに私は吟醸酒やチョコレートもワインセラーで保存したりします。シガーをたしなむ方は、それもいいそうですよ。ぜひ少し大きめのワインセラーを選んでください。
数年にわたるワインの長期保存をするのかどうか
買いだめのデイリーワインだけなら、温める機能がないワインセラー、つまりワインクーラーで十分です。
冬場に温度が低すぎて困るのは、熟成が進まないという点ですので、基本的には熟成させずに楽しむデイリーワインでは考える必要はありません。
主に高級ワインになりますが、長期熟成が前提の場合は、加温機能付きのワインセラーを選んでください。通年温度を一定に保つ必要があります。
ただ、ワインセラーはシンプルな仕組みとはいえ、やはり家電です。故障するときは故障します。24時間休まず動くものなので、常に負荷がかかっている状態ですしね。ワインの熟成を楽しみたい場合は、ワインにもよりますが、少なくとも10年以上という長期にわたってセラーに寝かせることになります。そのため、自宅でワインを長期保管した場合のリスク、トラブル時の手間を考えると、長期熟成させたい高級ワインはレンタルセラーに送るほうがよいと思います。
私のまわりでは高級ワインの保管にはエノテカを利用している方が多いです。月額66円から。
エノテカのレンタルセラー
高級ワインであっても、熟成はあまり考えず、劣化しないように一時保管しておきたいということでしたら、加温機能なしのワインセラーで大丈夫です。私は高めのワインでもおおむね2年以内には飲んでいます。あまり自宅での熟成は考えていないので、私にとっては加温機能のないワインクーラーで十分で、さらに冬場は電源を切っています。正しい使い方ではありませんが、特にトラブルは起きていません。
ワインセラー動力別のメリット・デメリット
ワインセラーには動力別に3つの方式があります。上から順に安価です。
特徴と、どれを選べばいいのかを順に説明します。
ペルチェ式
2種類の半導体に電流を流すと一方は吸熱、もう一方は発熱が生じる現象を活かした方式です。
簡単に言うと電気だけの制御で温度を管理するタイプです。
この方式のメリットは振動がないこと。そして安価で買えることです。デメリットはパワーが少し弱いというところでしょうか。
熱吸収式(アンモニア方式)
アンモニアを冷媒として、気化熱で温度を調節するタイプです。音が静かですが、冷却能力はコンプレッサー方式の方が上です。
このタイプはもうあまり市場に出ていません。
コンプレッサー式
コンプレッサー方式は、冷媒を使いモーターで動かす方式です。冷蔵庫と同じと考えてOKです。
冷却パワーは強いし消費電力も少ないので、一番優れているように思うのですが、その分少し価格が高くなります。また、生活空間に置くと音が気になるかもしれません。ワインセラーをインテリアとして考える際には注意が必要です。
とはいえ、最近のワインセラーは低振動ですので、寝室でなければそれほど気にしなくてもいいと思います。
冷蔵庫は、緊急避難的に使うのであればOKです。野菜室がいいと思います。
どの方式のワインセラーがいいのか
高級ワインを寝かせておきたいというのではなく、デイリーワインの一時保管用であればペルチェ式で十分です。(※ただ、コンプレッサー式のほうが壊れにくいそうです。ペルチェは電気の力のみで冷やすので負荷がかかりやすいらしく)
3万円くらいまでのお手頃なワインセラーであれば、ほとんどペルチェ方式ですので、選択の余地はありません。
10本程度の小型なら、Amazonや楽天の売れ筋ランキング上位から1〜2万円程度のものを買っておけば十分です。
Amazonワインセラーランキング
楽天ワインセラーランキング
高級ワインの熟成用を考えるのであれば、コンプレッサー方式を選びます。業務用でも使われますし、大型のものやハイクラスワインセラーはこの方式です。
- デイリーワイン用ワインセラー:ペルチェ式
- 高級ワイン熟成用ワインセラー:コンプレッサー式
ワインの湿度(しつど)対策は必要か
乾燥はワインの敵ですが、日本は基本的に多湿であり、熱や光ほど気にしなくても大丈夫です。
セラーによっては、乾燥がひどいものもあるかもしれませんが、水を張ったトレイやコップをセラーにいれておけばOKです。お手頃価格のワインセラーでは、加湿機能はほぼないので、最初は少し気にかけておいた方が無難かもしれませんね。
私は乾燥対策を何もやっていませんが、特に問題は起きていません。
ワインセラーは光を通さないものを選ぶ
ワインは光にも弱いので、本来は冷蔵庫のような扉が不透明のものが適しています。
しかし、なるべく開閉の回数を少なく、かつ扉を開ける時間を短くしたいので、ワインセラーの中身が見られないと不便です。各メーカーもそれはすでに折り込んでいますので、ガラス扉であっても紫外線対策をほどこしてあります。
直射日光は避けた方がいいですが、部屋の灯りやほんのりとした自然光なら気にしなくても大丈夫です。
ワインの保存適温は赤も白も同じ
ワインセラーは赤ワイン用と白ワイン用に2室にわかれていて、温度を分けられるものがあります。
赤ワインと白ワインでは、飲む時の温度が違うことはよく知られています。ですがこれはサーブ適温が違うということで、保存適温とは違います。
サーブ適温は、赤ワインは15度〜18度、白ワインは5度〜10度ですので、分けた方がよさそうに思えるのですが、保存適温は赤ワイン白ワインとも同じ16度前後です。ですので、ワインセラーの温度設定は赤ワイン白ワイン同じで大丈夫です。
- サーブ適温:赤ワイン、白ワインで違う(15度〜18度、5度〜10度)
- 保存適温:赤ワインも白ワインも同じ(16度前後)
私は赤白一緒に入れて温度設定を赤ワインのサーブ適温に合わせています。
白ワインやスパークリングワインを飲むときには、事前に冷やしておいたほうがいいので、ワインセラーの白ワインのうち、次に飲む1本を常に冷蔵庫に移しています。どうしても急ぎの場合は氷を張った卓上ワインクーラーを用意すればいいので、今のところ私はこの運用で問題ありません。
よって、赤ワイン用と白ワイン用に庫内が分かれているものにこだわる必要はないと考えています。ビールや日本酒を別の温度で保存したいなどの要望があるならいいと思います。冷蔵庫でいい気もしますが。
ワインセラーの選び方
こだわりだすときりがないのがワインセラーですので、ここではバッサリと大きく2つに分けて考えます。私が考えるワインセラー選びの大前提は、熟成させるつもりなのかどうかです。
ペルチェやコンプレッサーの違い、温度管理だけでなく湿度管理などを細かく見比べても、各メーカーが優位性を競ってアピールしているため、指針がない状態で探し始めたらあれこれ迷って買えなくなってしまいます。
まずは長期保存で熟成させるかどうかだけを基準に選びましょう。
熟成させるつもりがない場合
長期熟成は考えずに、一時保管や熱劣化を防ぐために購入するのであれば、1万〜3万円程度のカジュアルワインセラーで十分です。ペルチェ方式がほとんどですが、コンプレッサーでもなんでもOKです(追記:最近はコンプレッサー式も安くなっています)。要は冷えればいいのです。
加湿(かしつ)機能もいりません。多少乾燥したところで、そんな短期間で簡単にコルクが緩んで漏れたりはしませんので。最近のデイリーワインは人工コルクやスクリューキャップも多く、コルクが腐ったりしませんのでなおさら心配無用です。
デイリーワイン用の場合、収納したい本数と収納スペースに合う大きさ、インテリアに合うデザインなどで、好きなワインセラーを選んで大丈夫です。使い勝手のいい収納本数は12本以上。ワインのまとめ買いができますので。
12本くらい保管しそうだなと思った方は24本以上を買ってください。絶対使いますし、いっぱい詰め込むより、隙間をあけたほうが効率よく冷えます。
気になる人はさらにワインセラーの消費電力を見ておくくらいでしょうか。あまり差はないですが。
ワインセラーの電気代については、調べて記事を書きました。
カジュアル価格帯のお手頃ワインセラー
カジュアルな価格帯では「ルフィエール」が商品ラインナップを広く展開しています。ざっと眺めれば気に入るものは見つかるのではないでしょうか。1万円からありますが、ルフィエールは32本タイプが使い勝手がよくペルチェタイプで3万円(追記:2万5千円に値下がり。安い……)と手頃ですね。
※ショッピングモール名をクリックすると検索結果一覧が出ます
ルフィエールはワインセラーの専門店「セラー専科」の看板ブランドなので、ペルチェもコンプレッサーも数多く揃っています。部屋に合う見た目と大きさであれば、最初に買う1台としては、ここから選んでおけばまず間違いはないかと思います。
冷却力の強いコンプレッサータイプで小型のワインセラーも出しています。15本で3万円を切ります。32本にするなら4.9万円。ペルチェ式32本との価格差が大丈夫なら、こちらの32本入りコンプレッサーがいいと思います。
32本タイプは庫内が上下に分かれ、2温度帯で保存できます。赤ワインは15〜16度に、シャンパンやスパークリングワイン、白ワインはもう少し下げた温度で。という使い方ができて便利。機能から考えるとハイコスパのワインセラーです。
ルフィエールについては、こちらの記事も書きました。
長期熟成させる場合
ワインセラーに長期にわたって保存し、熟成を考えるのであれば、加温や加湿機能がついているもので、保証が充実しているワインセラーを選びます。
10年以上にわたって高級ワインを熟成させますので、なによりメーカーの信頼性が重要です。中に入れるワインは数万円以上のものですから、夏場に故障すると目も当てられません。
ワインセラーの老舗で有名なのは、フランスのアルテビノとユーロカーブ。そしてロングフレッシュブランドが超有名な安心の日本製フォルスター・ジャパンです。この3社ならどれを選んでも問題ないと思います。お値段は結構しますけれど。
長期熟成におすすめのワインセラー
ワインを長期熟成させるなら、フランスワインが好きで本格的な大型のワインセラーを設置するのならアルテビノ。機能と価格とデザインのバランスを考えた上で、数万円〜30万円程度くらいで選ぶのであればユーロカーブかフォルスターというイメージでしょうか。
もちろんユーロカーブとフォレスターの2社も最上級の大型ワインセラーを販売しており、高機能、高信頼のワインセラーです。アルテビノが飛び抜けているという意味ではありません。
ユーロカーブとフォルスターからの選択であれば、会社の歴史や本場フランスであることを重視するならユーロカーブ。コスパや故障しにくさを考えると安心の国産フォルスターですね。
日本のレストランでの業務用ワインセラー取り扱い数もフォルスターが一番多いそうです。私の感覚でも、ワインバーのオーナーさんはフォルスターをよく使っておられますね。この両社なら安心感があります。
その他のワインセラー選びのポイント
ワインセラーによっては、庫外に温度や湿度を表示できるものがあります。
庫外の温度表示は非常に便利です。なくても温度・湿度計をワインセラー内に入れておけばいいのですが、いちいち開けないといけませんから。
ワインセラーがあると、ワインを選ぶ楽しみが倍増します。これは買えば本当に実感します。
その日その日になんとなくスーパーやコンビニで安ワインを買ってくるのではなく、ネットなどでじっくり吟味してワインを選び、ワインセラーにストックしておきましょう。デイリーワインであっても、整然と並ぶワインが我が家にあるというのは、とてもいい気分になれますよ。
コメント
寒冷地、別荘に設置します。
冬場は、室内がマイナス5度になります。
どのタイプを選べば良いでしょうか?
25本程度を考えております。
こんにちは。コメントありがとうございます。
長期保存が前提でしたら、冬場に温めるためのヒーターが付いている機種になります。ユーロカーブ ヴィエイテック V059M-PTHF収納38本やフォルスター ロングフレッシュ ST-SV140G(M)が選択肢になるかと思います。ただ、メーカーも氷点下は動作保証をしていませんので、例えば16度に設定しても実際はもう少し内部の温度が下がるのだと思います。私は氷点下の環境に住んだことがないので、確実なことはわからないのですが。
マイナス5度ではワインは凍りませんが、念のため「商品についての問い合わせ」ボタンなどから、販売元やメーカーに問い合わせされると良いかと思います。
初めまして
最近、ワインにはまりだし、ここの記事をよく拝見させて頂いています。
ワインセラーを購入しようと思っています。
今のところ、普段飲みのワインで考えています。
主に1000円台を中心に3000円台までのベース。年1ぐらいで5000〜10000円のワインが飲みたい。
質問ですが、日本の夏は30°を超える猛暑日があるので、コンプレッサー式がよいのでしょうか?それとも、ペルチェ式でも充分耐えうるとお考えでしょうか?
アドバイスを頂けたら、幸いです。
こんにちは。初めまして。
コメントありがとうございます。
ペルチェ式だと日本の猛暑日に耐えられるのか、という疑問ですね。気になりますよね。
私はペルチェ式でも大丈夫だと判断して運用しています。実際に熱劣化はおきていません。ただ、室内気温がかなり上昇する場所などに置かれるのであれば、コンプレッサー式にした方がいいかもしれません。もっともそんなに暑い部屋は、ペルチェかコンプレッサーかに関わらず、ワインセラーを置くべきではないと思いますが。
ペルチェ式だと外気温から-15度程度が限界と言われていますので、35度以上の猛暑日になると、ワインセラー内も20度以上になると考えられます。経験上ですが20度程度なら、ほぼ問題はありません。
記事でご紹介したコンプレッサー式などは、かなり価格も手ごろですので、どうしても不安だということでしたら、コンプレッサー式を選ばれるとよいと思います。
蛇足ですが、過去に経験した熱劣化は、30度以上の部屋に数日間放置でした。セラーの故障に気付かなかった時ですね……。もうだいぶ昔の話ですが。
他の記事もご覧いただいているとのこと、ありがとうございます。
早々の御返信ありがとうございました。
初めてのワインセラーということもあり、予算的にも記事で紹介してあるルフィエールのペルチェ方式で検討しようと思います。
ご回答ありがとうございました。