ワイン投資は儲かるのか?リスクや投資方法、ファンドなどまとめ

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日本ではまだまだ一般的ではないワイン投資ですが、欧州では昔から資産運用の一つとして行われています。特にフランスでは銀行融資の際にワインの資産価値が担保として認められるうえ、相続税がかからないといった、さすが本場といわんばかりの利点があります。

日本ではワインは相続税の対象にばっちり入ってしまっていますが、純粋に投資としてのメリット、つまり値上がり後の売却益や利回りにおいて高いリターンが得られると、ワイン投資の人気が高まってきています。

ワイン投資についてのリスクやメリット・デメリット、ワイン投資のやり方などについてまとめましたので、ご紹介します。

追記:2016年3月7日にワインファンドのヴァンネット破綻のニュースがありました。こちらの記事に書いています。
ヴァンネットが破産 やはりワイン投資ファンドはあやしいのか?

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ワイン投資のメリット

ワイン投資のメリットは、長期運用に適した分散投資にそのキモがあると言えます。すでに資産を持っている方のリスク分散に使えるのはもちろんですが、値上がり益が期待できますので、今から資産を築こうと考える方にもワイン投資は有効です。(リスクはあります)

分散投資

資産運用の観点からみた場合のワイン投資のメリットは、株や不動産以外に分散投資できるという点があります。似たような性質のものとしては、絵画などの美術品がありますね。資産全体のリスクを下げるには分散投資が不可欠で、他の金融商品と値動きが異なる(相関が低い)ワインはその対象となり得ます。

需給バランスのゆがみ

ワイン投資は商品(コモディティ)に分類される投資ですが、他の商品と異なっている点として、同じワインは二度と手に入らないということがあります。よく知られているように、ワインは銘柄が同じでもヴィンテージ(生産年)によって価値が違います。さらにワインは消費されていきますので、需給でいえば市場に供給されているワインは常に減っていく、つまり需要がまさって価値が上がっていくことになります。

神の雫でも第1巻から登場し、以後もたびたび紹介されるブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ/Henri Jayerのワインなどは、今ではとんでもない価格になっています。

アンリ・ジャイエは2006年に亡くなられています。生前から氏の造るワインは人気でしたが、死後もう二度と市場に供給されなくなると、さらに価格が急騰しました。

これは分かりやすい例ですが、スター生産者の死などでなくとも、その年のワインはその一度きりしか造られないため、構造的に需要が供給を上回る形になっています。

長期投資との相性

投資の対象となるような高級ワインは、長期熟成を経て味がよくなり、価値が上昇します。長熟タイプのボルドーワインであれば、飲み頃になるには15年〜20年は熟成が必要で、中には100年経っても劣化せず熟成が続いているワインもあります。神の雫15巻参照

ワインは長期投資において、極めて都合のいい性質を持っているといえます。

ワイン投資のデメリット

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ワイン投資には当然デメリットもあります。

価格変動リスク

ワインは嗜好品であり、投資に使われるようなワインはブランド品と似た性質もありますので、景気や銘柄の人気度の変化によって、価格変動はあります。ただ、これは他の金融商品にもあるリスクなので、ワイン投資に限った話ではありません。

流動性リスク

ワイン投資には、株式のような取引所がありませんので、売り手と買い手の相対取引となります。さらに市場が小さいぶん流動性が低く、売りたいときに売れない可能性があります。

為替リスク

投資対象になるワインは大部分がヨーロッパ、しかもフランスになります。購入時よりも円高が進めば、円ベースでみると価格上昇分が相殺されてしまう可能性もあります。もちろん逆に為替差でさらに儲かる可能性もあります。

各種手数料

ワイン投資は手数料がかなり高いです。現物投資の場合、後述するベリー・ブラザーズ&ラッドの例で言うと、購入時はかかりませんが売却時に10%の手数料がかかります。またワインは保管を厳重に行わなければならないので、倉庫を借りることになります。1ケース年間10.8ポンド(2,000円程度)と、かなり安価ですが。さらにワイン売却時の利益には税金がかかります。日本では雑所得として課税されます。

ワインファンドの場合はさらにかかる経費の種類が多く、買い付け時手数料3%プラス消費税、運営報酬として年間1.75%、成功報酬として年間利益の20%、他にも実費として保管手数料や鑑定報酬などが引かれます。株などの金融商品になじみのある方であれば、あり得ない高さだと感じることでしょう。

ワイン価格の実績は

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ワイン投資の手数料や流動性リスクは、株式投資や投資信託と同列に考えると、確実に投資に値しない商品です。にもかかわらず欧州では古くから資産形成の一部として利用され、日本でも広がってきているのは、コストを上回るリターンがあるからです。

ワイン価格の指標はロンドンの取引所Liv-ex(ライブ・エックス)がLiv-ex Fine Wine 100という指標を出しています。これはFinewine(ファインワイン)と呼ばれる投資向きのワイン100銘柄の取引価格を指数化したものです。さらに対象を絞ったLiv-ex Fine Wine 50もあります。

Liv-ex(ライブ・エックス)

これを見ると2011年には350ポンドを超え、365ポンドでピークに達していますが、それ以降価格はさがり、2015年8月では242ポンドとなっています。30%という大きな下落です。しかし、軸をもう少し長くとって2000年からの推移を見ると、これでもまだ2000年当時の2.5倍になります。価格変動はあれど、長期的には上昇していることがわかります。また、短期投資には向かないこともわかります。

ワイン投資の方法

ワイン投資のやり方には、現物投資とファンドへの投資の2パターンがあります。

ベリー・ブラザーズ&ラッド社/BERRY BROs. & RUDD

ワイン投資でまず考えるのは現物投資です。そこらの酒屋で高級ワインを買って、自分で寝かせて10年後に売る。とかでもやろうと思えば可能です。手数料もかかりませんし、簡単にできます。ただし買い手がいればの話です。

ワインは保存状態によっては劣化します。さらに高級ワインでは偽物も横行していますので、生産者の証明、どこの倉庫で保管されたか、流通時の温度・振動管理などの履歴が極めて重要な意味を持ちます。個人でこれらを証明するのは不可能です。そこで、これらを一手に引き受けてくれる会社を通じてワインを購入することになります。

歴史もあって、市場の信頼もある。さらにある程度日本語で情報が入手できる。これを満たす企業がイギリスのBERRY BROs. & RUDD(ベリー・ブラザーズ&ラッド)社です。

ベリー・ブラザーズ&ラッドは1698年創業の英国最古のワイン商であり、エリザベス女王からも確固たる信頼を得て、英国王室御用達のワイン商として指名を受けている企業です。信頼性においてはこれ以上ないくらい安心と言えます。スピリッツも有名なので、ウイスキー好きの方にはおなじみの会社ですよね。

ベリーブロス社では、ワインの購入から保管、売却までを自社倉庫を使ってすべて引き受けてくれます。保管料に保険がかかっており、ワイン破損時の保証もあります。購入は半ケース(6本)から可能で、銘柄によっては10万円を切るお手頃価格です。保管手数料も1ケース年間10.8ポンド(2,000円程度)と安く、売却時も名義変更するだけですのでワインの移動による劣化リスクもありません。思ったように値上がりしなければ、送料はかかりますが日本に送ってもらい、自分でワインを飲むこともできます。

売却は、ベリーズ・ブローキング・サービス(BBX)という仕組みにより、サイト上で顧客が自由に値段をつけて売却できます。アマゾンマーケットプレイスのようなプラットフォームと考えていいと思います。手数料は購入時にはかからず、売却時に10%がかかります。手元にないものを、手間をかけずに売買でき、ワイン投資としてはかなりシンプルに行うことができる方法です。

BERRY BROs. & RUDD
ベリー・ブラザーズ&ラッド日本支社

ワインファンドを購入する

ワインへの投資の2つめは、ファンドを購入することです。ファンドは複数の投資家から資金を集め、ワインを購入して値上がりを待ちます。日本で使えるファンドは現状ヴァンネット(VIN-NET)しかありません。

ワインファンドのメリットは、巨額の資金が必要なため個人では不可能に近い銘柄分散投資が可能という点と、ワイン銘柄選びをプロに任せられるという点です。他にもさまざまなリスク管理手法を持っていて、実践しています。投資信託で運用をしている方にはおなじみのメリットですね。

デメリットとしては、まず会社の倒産リスクです。ワイン投資の本場イギリスでは、2014年に6本以上のワインファンドが破綻したとブルームバーグが報じました。ヴァンネットではこれに関する見解も述べておられますが、破綻リスクがあることは確かです。

その他のデメリットとしては、手数料がかなりかかります。買い付け時3%、年間1.75%、年間利益の20%、解約時にも約3%、その他保管手数料や鑑定報酬などの実費と、株式投資や投資信託ではあり得ない金額になります。他にも購入は300万円からで、購入できる時期は年1回のみ(4月)、解約は3ヶ月に一度のタイミングでしかできないなどのデメリットがあります。

これだけのデメリットがあってもなお、ワインファンドに投資するのは、そのリターン実績があるからです。ヴァンネット社のファンド運用期間は7年ですが、過去に償還されたファンドをみると50〜70%という高リターンをたたき出しています。年利にすると15%以上にもなり、現時点ではワイン投資は成功率が高い投資といえます。

ただ、投資というのは過去こうだったから同じことが起こるとは絶対に言えないので、言えるのはあくまで今までの投資は報われていたということだけです。

プリムールについて

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ボルドーにはプリムールという制度があります。これはまだワインとしてリリースされる前の、樽の中で眠っているワインを購入し、1〜2年たって出荷されてから受け取るというものです。ワインの先物取引ですね。

ワインは葡萄の収穫から出荷まで、つまり換金されるまでに1〜2年以上かかり、生産者はその間の資金繰りが悪化します。そのため、まだ樽の状態のうちに安く販売し、その間の資金とする先物の手法が生まれました。

投資としては王道といったところなのですが、プリムール試飲において品質を確かめなければならないこと、またその鑑定眼(舌)を持っていること、資金が必要なこと、販売ルートを持っていることなど、ノウハウが必要になります。

ベリー・ブラザーズ&ラッドやワインファンドではプリムールの買い付けを行っています。日本ではエノテカなど、一般からの買い付けを募集しているところもありますが、こちらはほぼ自分で飲むためのワイン用と考えていいと思います。販売ルートがある方は、寝かせたのちの売却もできます。自分が好きな銘柄がプリムールで販売されていれば、購入しておくのも手ではないでしょうか。エノテカでは購入後、そのままレンタルセラーに入れる流れになります。

エノテカ・オンライン enoteca online

欧米では、お気に入り銘柄をプリムールで1ケース買って、特別な日に1本ずつあけていき、数年かけて熟成を楽しむというやり方をします。

ワイン投資のセミナー

ベリー・ブラザーズ&ラッド日本支店では定期的にワインセミナーやセラー・プラン説明会を開催しています。

ベリー・ブラザーズ&ラッドBERRY BROs. & RUDD

内藤忍氏も自身のバーなどでセミナーを行っています。

SHINOBY’S BAR 銀座

私はどうするのか

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ワインが好きでずっと飲んでいると、ヴィンテージによる価格の変化を実感としてつかめるようになります。そのため、自分で飲むワインは早めの安いウチに購入して自宅セラーに寝かしたりしています。

結局どれがいいの?おすすめの家庭用ワインセラー

私の実感としても、ボルドー・メドックの五大シャトーやそれに準ずる2級〜5級シャトー、またブルゴーニュのグランクリュを多数持つコート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌなどは、数年経つと値段が大きく上がっていると感じます。パーカーポイントが高いものは特に。あくまで実感としてですが、値下がりはほぼありません。

ですので、私は今後ワイン投資をやってみると決めていますが、現時点ではBERRY BROs. & RUDD社を通じての現物買いが本命ですね。

理由はいくつかありますが、そもそも株式などの投資理論に慣れていると、流動性や手数料の点でワイン投資は理屈では避けるべき投資です・・・。リターンの高さ(への期待)だけで投資するのは、投機でありただのギャンブルだからです。

それでもワイン投資を行うのは、完全な資産運用としての投資とは別に、趣味の楽しみという要素が入ってくるからです。投資家の中には競馬ファンも多いと聞きますが、あれも投資効率や期待リターンだけを考えるなら競馬はやりません。やはり競馬自体が好きだからやるのでしょう。同じように私はワインが好きなのです。

好きなワイン銘柄に投資し、値上がりすれば売って利益が出る。利幅が薄かったりしたら、売らずに自分で飲むこともできます。または、2ケース購入して値段が倍になったところで1ケースを売却し、残りを自宅に送ればタダで高級ワインが飲めます。ちょっとこじつけのような気もしますが、やはり自分で飲めるという楽しみがあります。そういう意味でも現物投資が選択肢として優位です。

ワインファンドでは、銘柄選択はできませんし、現物を手に入れることもできません。また、300万円という投資金額が長期間拘束されます。私は他にも投資を行っていますので、この金額が長期間拘束されるのは少々困ります。

破綻リスクも脅威です。内藤忍氏もリスクはきちんと把握しつつヴァンネット社に投資されていますし、現時点でしっかり事業をなさっている企業であることは間違いないと思うのですが、やはりこういった組織には破綻のリスクがあります。

有名だとか新聞や雑誌に載っているとかは関係ありません。過去にはマネー雑誌掲載の常連で、黒毛和牛オーナー制度として投資家から資金を集めていた安愚楽牧場が破綻しました。高い利回りと定期的に牛肉が届くという特典もあり、さらにザイやレタスクラブといったキャッチーな雑誌にも掲載されていたため、低金利の預金より有利だと大勢の主婦の方までもが投資していました。私は当時1年ほど投資すべきかどうか調べたうえで、リスクが高いと判断してやめました。似たようなケースはいろいろあります。
※安愚楽牧場とヴァンネットにはなんの関係もなく、あくまで個人的な感想です。

こういった理由から、まずは投資額を限定して、半分趣味としてベリー・ブラザーズ&ラッド社でのワイン現物投資をやってみようと考えています。

※2016/03/08追記:ヴァンネットが破産手続きを開始したとの報道がありました。とりあえずは破綻リスクを考慮しておいてよかったといったところですが、ワイン投資の空気がしぼむのは哀しいですね。

ワイン投資におすすめの書籍

元マネックスの内藤忍氏によると、資産運用としてみるなら、ワイン投資は資産の10%程度にとどめるべきとのことです。リスクを考えると確かにそうなりますね。資産額にもよりますが、10%でもかなり多い気がします。

内藤忍氏の著書は主要なものはほぼ読んでいます。資産運用のバイブル的なものもありますし、投機的なあおりはまったくなく誠実でしっかりした理論だと思います。しかも普通の人が実践できるように、少額からできることをかみ砕いて説明されています。

現在は資産デザイン研究所という会社をされており、資産運用のセミナーや講演のほか、投資家のためのワインバーを経営されたりと、面白い活動をされています。東京住みなら一度バーにいってみたかったんですけれども。

今回私がワイン投資を真剣に考えたのも、内藤氏の本を読んだことがきっかけです。これからワイン投資を始めようかとお考えの方には、一読をおすすめします。

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