フィラディスのワイン講座「比較試飲チャレンジ」やってみた

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フィラディスワイン比較チャレンジ

ワインのサブスク増えてますよね。昔から「頒布会(はんぷかい)」と呼ばれる定額便はありましたが、今はコンセプトを明確にした面白い商品が多く出ています。

そんなワインサブスクサービスの1つに、ワインインポーターのフィラディスの比較試飲チャレンジがあります。

フィラディスのワイン講座「比較チャレンジ」

単にショップのおすすめワインを送るのではなく、毎月テーマを決めて同時に2本(ときどき3本)を飲み比べるという内容で、教材付きのワイン講座として提供されているものです。

同じワインのヴィンテージ違いを飲み比べたり、ブルゴーニュのニュイとボーヌを比較したり。とても興味深い講座だなと思っていたところ、フィラディスさんから商品モニターとして教材とワインをご提供いただきました。ありがてえ……めちゃくちゃ嬉しい。

というわけで、フィラディスの比較試飲チャレンジのレビューです。もちろんレビューにはなんの指示も制約もないので、思ったままを書きます。

まあ予想してたより教材がよくて、もちろんワインもめっちゃ美味しくてツッコむところがあんまなかったんですが笑。ほんとにいい企画だなと思いました。内容をできるだけ詳しく書いて、写真もたっぷり撮りましたので、ぜひご覧くださいませ。



フィラディスの定期コース 比較試飲チャレンジとは

フィラディスの比較試飲チャレンジは、各月で設定したテーマに沿ったワインが届く、12ヶ月の定期購入コースです。

届くワインは2本(たまに3本)で、比較テーマごとに解説をまとめた冊子がついてきます。もちろんワインや産地、生産者の基本情報やテイスティングコメントも付いてます。いつでも申し込めるワイン講座という位置づけですね。

ワイン比較試飲チャレンジのテキスト

小冊子ですが、必要な情報がしっかりまとまっていて、ちょこちょこ見直しできて便利です。産地の地図とか、めっちゃ助かります。

比較試飲チャレンジ毎月のテーマはこんな感じ。(一例)

  • 若いワイン VS 熟成ワイン
  • 暑い年 VS 寒い年
  • ボルドー右岸 VS ボルドー左岸
  • ブラン・ド・ノワール VS ブラン・ド・ブラン(シャンパーニュ)
  • コート・ド・ニュイ VS コート・ド・ボーヌ(ブルゴーニュ)

その他の比較試飲一覧はこちら
フィラディスのワイン講座「比較チャレンジ」

うーん、どれもこれも面白そう。ワインを長く飲んでいると、こういった違いは意識して飲みますし、知識も増えてくるんですが、やっぱり同時に比較できるタイミングって限られてくるんですよ。ワイン会とかじゃないとなかなか。でもこうやって毎月の講座としてやってくれたら、家で一人でも「よしやろう」って気になります。

今回は上記のテーマのなかから、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ比較と、暑い年と寒い年の比較の2種をレビューします。どちらもワインめっちゃ美味しいし、しっかり勉強にもなり、新しい発見もありました!

ブルゴーニュのニュイとボーヌを比較

それではフィラディスの比較試飲チャレンジ、実際に飲み比べです。

今回のテーマは、ブルゴーニュを代表する産地のコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの比較です。

ブルゴーニュワイン飲み比べ

この2つの産地は合わせてコート・ドールと呼ばれ、有名な村がこれでもかとそろっているエリアです。北に位置するニュイには、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネなど、南のボーヌには、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェなどがあります。

今回の2本は赤ワインで、マルサネとポマールが選ばれています。

ブルゴーニュマップ

冊子にしっかり地図表記があるので嬉しい。いったん覚えても細かいとこちょいちょい忘れるんです。

マルサネはコート・ド・ニュイの最北で、南のポマールとは結構離れています。造り手も違うので、完全にエリアだけの比較というわけではないですが、この2本で香りや味わいにどんな違いがあるのか見ていきます。

シャトー・ド・マルサネ マルサネ・エシェゾー

シャトー ド マルサネ

1本目はシャトー・ド・マルサネ マルサネ・エシェゾーです。ヴィンテージは2019。造り手は名前のとおり、マルサネを代表する生産者です。

あと、名前にエシェゾーとありますが、もちろんあのヴォーヌ・ロマネ特急畑のエシェゾー(Echezeaux)ではありません。これはマルサネ村のLes Echezotsなので、「レシェゾ」や「レ・ゼシェゾ」というカタカナ表記をあてるほうがいい気がしますが、まあカナにする以上正確な表記はできませんしね。「エシェゾー」としてあるほうが気分はいいかもしれませんし笑。

テイスティングシート

では飲んでみましょう。冊子にテイスティングシートがあるので、これに沿って書いてみます。

色は輝きのあるルビー。ラズベリーのような赤い果実の香りで、なめし革やトリュフもアクセント。香り、味わいともに明るく快活なイメージ。かつ見た目ほど軽やかではなく、ほんのり甘くまろやかでコクもある。酸は全体をしっかり支えているが、あまり主張しない。

とまあ私はこんな感じかなと思いました。

フィラディスさん(の店長五十嵐さん)が用意しているテイスティング参考例では、こうなります。

ブルゴーニュ テイスティングシート参考例

いやー、取ってる香り多いっすね笑。私が少なすぎるんですけども。イチゴ、さくらんぼ、ラズベリー、イチジク、肉、紅茶、黒コショウだそうです。うーむわからん。

味わいの感じ方は、そこそこ同じっぽいですかね。五十嵐さんの言う「もぎたてフルーツのフレッシュ感」よりは、ちょっと熟した果実のように思ったんですが、そこは「重く・濃くなりすぎないように丁寧に引き出している」ためと表現されていますね。なるほどー。

やっぱり飲んだワインの味わいを、即座にプロのコメントで確認できるのはいいですね。五感と脳への浸透具合が違います。

それにしてもこのワインは美味いです。1杯でかなり満足感が得られるんですが、続いてもう1本のポマールへ行きます。

ドメーヌ・ローネイ・オリオ ポマール

ドメーヌ ローネイ オリオ

ブルゴーニュ比較2本目は南のコート・ド・ボーヌから、ドメーヌ・ローネイ・オリオ ポマール2020です。

造り手のローネイ・オリオは、18世紀からワイン造りを行っている家系ですが、遺産相続のゴタゴタとかいろいろあった末、現当主になってから一気に評価を上げたドメーヌ。細かな話は冊子に載っています。目の前にそのワインを置いて、こういうの読むのも面白い。

ドメーヌ ローネイ オリオの紹介

さて、ではこちらも飲んでいきましょう。

落ち着きのある紫がかったルビー。イチゴ、プラムのほか、紅茶や生クリームの香り。甘草やドライフルーツの甘い香りも若干。甘みが先にきて、綺麗な酸が追いかけてくる。黄金糖やキャラメルのような甘さ、昆布ダシのうまみもある。少し重量を感じる、濃くて深い味わい。

先ほどのマルサネより明らかに濃くて重い味わいです。もちろんブルゴーニュらしい軽やかさの域を出るような濃さ重さではないんですけど。同時に飲むと、はっきり違いを感じます。こんなに違うのか。

テイスティング参考例では、「ブルゴーニュの赤ワインの醍醐味は“深く、じわる旨み”にあり、その魅力を的確に体験するのにぴったりな1本」と表現されていました。

たしかに、じわりと染みる旨みがありましたね。特に昆布ダシの感じ。これ、1本5万円以上するブルゴーニュを飲んだ時にめっちゃ強く感じたやつで、飲んだ瞬間「おおっ」と思いました。(こちらのワインは希望小売価格9570円)

また、「ポマールはタンニンとパワー感を前面に出してくるワインも多いが、こちらは抑制が効いている」と、ローネイ・オリオのバランス感覚を賞賛しています。うーむ、ちょっとこの造り手さん興味出てきました。

フィラディスのドメーヌ・ローネイ・オリオ説明

ボルドーの暑い年と寒い年を比較

比較試飲チャレンジ、続いては暑い年と寒い年の比較です。ワインはボルドーのシャトー・ベルナドット オー・メドック。ヴィンテージは2015と2012ですね。

ボルドーワインのテイスティング

2015はフランス ボルドーのグレートヴィンテージと言われる年で、気候に恵まれ、ブドウがよく育ちました。そのため、果実味と力強いタンニンを備えたワインになっています。

一方で2012は春に気温が上がらず雨も多かった年。難しいヴィンテージだと言われます。

ただ、あくまでもこれは暑い年と寒い年の比較で、2012がアカンと言いたい比較ではありません。気候条件が悪くても、造り手の工夫で素晴らしいワインになることはいくらでもあるからです。というか、最近はもう技術の発達のおかげか、全部そんな感じがしています。どのヴィンテージ飲んでもそれぞれ美味いんですよ。

と、前置きが長くなりましたが、飲んでみます。

シャトー・ベルナドット オーメドック

シャトー ベルナドット オーメドック

まずは暑い年の2015です。

果実の香りはプラムとイチジク。なめし革、キノコ、肉、腐葉土がかぶせてくる。舌触りは、砂っぽさと鉱物的な冷たさを感じる。果実味はひかえめでまろやか、彩度が低く落ち着いたイメージ。

続いて寒い年の2012。

はっきりしたブラックチェリー、カシスの香り。鼻に抜けるメントールとシナモン、少しカカオ。タンニンは中程度で舌にしゃりしゃりと絡む。果実と酸がしっかりしていて、濃さはあるが軽やかに飲める。

ってことで、寒い年2012のほうが果実味が豊かで明るいイメージです。暑い年の2015は、タンニンの重さに対して果実味が少ないので、ちょっと飲みづらく感じました。私の好みもあると思いますが、明らかに2012のバランスがよくて美味しいです。

グレートヴィンテージと言われている2015より、オフヴィンテージの2012のほうがいいのは面白いところ。熟成させるとまた変わると思いますけども。

ベルナドットのテイスティングコメント

フィラディス店長のテイスティングコメントにも、「2015はまだまだ若く暴れん坊」とありました。ですよねー。タンニンがちょいと荒い。砂っぽくて色彩がない感じは、「タイトで乾いた感じ」と表現されています。なるほど勉強になります。

シャトー ベルナドット オーメドック

で、このベルナドットは1週間くらい置いて、残りをまた飲んでみたんですよ。すると、両者に差があまりなくなっていました。2015には果実味が出てきて、2012にはタンニンの重厚感が表れました。

これは冊子のまとめにも書かれていて、「どんな年でも目指す理想のスタイルに結実させようとする造り手の努力と工夫のたまもの」だそうです。ブドウの出来はもちろん大事ですが、造り手の腕で調整できるってことですね。知識としてはあったんですが、実際に飲むと「ほんまや!」って感動しますね、これ。

冊子のほうには、上記は「抜栓後2〜3時間してから読んでください」と注意書きがあるので、ネタバレになってしまいましたが笑。同じのを比較のみするときは、忘れておいてください。

この暑い年寒い年比較は、かなり勉強になりました。

比較試飲チャレンジの中身と特典

では改めて詳細のご紹介を。フィラディスの「比較試飲チャレンジ」は、テーマに沿ったワインが毎月届く定期購入コースです。12ヶ月のワイン講座ですね。第1回から順番にという方式ではなく、テーマは月ごとに固定されていて、いつでもスタート可能。申し込んだ月から翌年まで12回続くスタイルです。

比較試飲チャレンジテーマ一覧

  • ブラン・ド・ノワール VS ブラン・ド・ブラン
  • シラー VS グルナッシュ
  • ステンレス・シャルドネ VS 樽シャルドネ
  • ボルドー右岸 VS ボルドー左岸
  • 灼熱のイタリア VS 灼熱のスペイン
  • 砂質 VS 粘土質 VS 砂質粘土土壌
  • コート・ド・ニュイ VS コート・ド・ボーヌ
  • 暑い年 VS 寒い年
  • セニエ VS ブレンド
  • バローロ VS ブルネッロ

フィラディスのワイン講座「比較チャレンジ」
毎月10日締めの当月20日〜月末発送

毎月届くワインは基本的には2本で(3本の月もあり)、テーマについて学習できる冊子と一緒に届きます。価格は税込み送料込みで月1万円です。

冊子の内容は必要な情報がコンパクトにまとまっていて、ちょろっとしたおまけみたいな感じではありません。しっかり読み応えがあります。

ボルドーの気候について

例えば暑い年寒い年比較なら、ボルドーの気候などの説明も詳しく書かれています

そして特典としてアルゴンガスが付いてきます。

ワインセーブプロ

アルゴン ワインセーブ プロ

これが嬉しい。同時抜栓の飲み比べなので、毎日ワイン1本飲むという酒豪でなければ、わりと開けてから長めに日を置くことになるんですよね。やっぱり途中で別のワイン飲みたくもなるじゃないですか。

ワインセーブ・プロに入っているアルゴンガスは空気より重いので、瓶のなかでシューッとしてやると、ワインの液面上で膜となって酸化から守ってくれます。

アルゴンガスでワインの酸化を防ぐ

無味無臭のアルゴンガスが酸化を防いでくれます

私はバキュバンやアンチオックスなど、ほかのワイン保存ツールも使っていますが、そんなの持ってなくてコルクで栓をするだけって方もいらっしゃいますよね。これほんとに簡単に酸化を防いでくれて、効果も高いのでいいですよ。実際に1ヶ月ほどほったらかして実験してみましたので。1本で150回分なので、講座の12ヶ月分は余裕で持ちます。

特典はほかに専用バインダーもあります。

ワインテキストバインダー
ワインテキストバインダー

毎月の冊子をこれに綴じて整理しておけます。

さらにフィラディスの単品ワインが10%オフになる学割クーポンももらえます。

フィラディスの10%オフクーポンイメージ

これはイメージ画像です(フィラディスサイトから)

10%オフは比較試飲チャレンジを受講中、つまり1年間有効です。講座で送られてきたワインが気に入ったときの追加注文にも使えますね。クーポンコードは初回ワインと同じタイミングで送られてきます(メール)。

あとは講座が終わったときに修了証が送られてきます。

たぶんずっとある特典だとは思うのですが、「特典」と銘打ってある以上、いつなくなってもおかしくはないので、申込み前にチェックしてくださいませ。あと、思い立ったらぜひお早めに。物価あがってますからね……何が起こるかわからん。

フィラディスのワイン講座「比較チャレンジ」

ワインの好みを知るための勉強

フィラディスのワイン講座

「ワインの講座」というと、ソムリエ試験などの資格対策が思い浮かびますが、ワインの勉強はもっと気軽に誰がやってもかまわないもの。勉強はなにか目標をもってすることばかりじゃないですからね。「より美味しく飲むために勉強する」のでいいんです。

冊子はたぶん予想より面白いですよ。よくまとまっていて分かりやすいです。何よりワインが美味しいですし。

「好みがある」というのは、ほかとの違いを認識できている状態です。比べる対象がなければ、はっきりと自覚はできません。なので、比べて飲むことでそれぞれがどんなワインかを知り、さらになぜ違うのかを学ぶこの比較試飲チャレンジは、自分の好みを探していくのにぴったりの教材です。もちろん、ワインの産地や気候、香りや味の取り方の勉強にもなります。

ぜひゆっくり1年かけて楽しんでみてください。

フィラディスのワイン講座「比較チャレンジ」



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