日本ワインを造る生産者を格付けする「日本ワイナリーアワード2018」において、最高評価の5つ星ワイナリーが発表されました。
- サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)
- シャトー・メルシャン(山梨県)
- 中央葡萄酒(山梨県)
- ダイヤモンド酒造(山梨県)
- 丸藤葡萄酒(山梨県)
- 小布施ワイナリー(長野県)
- KIDOワイナリー(長野県)
- 酒井ワイナリー(山形県)
- タケダワイナリー(山形県)
- ドメーヌ・タカヒコ(北海道)
以上の10ワイナリーです。さすがワイン王国山梨は圧倒的な強さですね。
この中で、神の雫作中で「日本ワイン三大シャトー」の候補として取り上げられていたのが、サントリー登美の丘ワイナリーとシャトー・メルシャンです。
日本のワインはかつてないスピードでレベルアップしており、ワイン市場自体も拡大しています。そのなかで、両ワイナリーは生産規模やワインの質の高さをどんどん向上させており、選ばれるのも納得です。
そこで今回は、神の雫で日本三大シャトー候補としてとりあげられていた生産者の、プレミアムワインをご紹介します。
目次
神の雫 日本三大シャトー候補
今まで国産ワインでそこそこの評価があったのは主に白ワインでした。ですが、ここにきてカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ピノノワールといった赤ワイン花形ブドウ品種によるワインにおいても、世界に通用するプレミアムワインが誕生しています。
その中から、神の雫作中で選ばれた、日本三大シャトーです。
サントリー登美の丘ワイナリー 「登美」
まずはサントリー登美の丘ワイナリーの登美:赤です。日本三大シャトーの一角として紹介されるずっと前にも、別の話で神の雫には登場していました。作者様の力の入れようもわかります。国際的なコンクールでも受賞しており、日本を代表するワイナリーといっていい超実力派です。
「登美:赤」は滑らかでエレガントなスタイルで、飲んだ瞬間かなりマルゴーが連想されるワインです。神の雫では日本舞踊の藤娘にたとえられていて、繊細で女性的なワインと表現されていました。
登美の丘ワイナリーは100年以上の歴史をもつ大きなワイナリーで、生産量も味も安定しています。フラッグシップワインである登美も購入しやすいので、日本ワインの実力をみるのにおすすめです。登美:白もあり、こちらはシャルドネです。どちらも本場フランスでも評価の高いワインです。
ちなみに登美の丘は同社のカジュアルブランドであり「登美」とは別物です。さすがに登美と比べることはできませんが、ちょっと試してみようという程度にはなかなか良いと思います。
関連記事:登美の丘ワイナリーに行ってきました!
シャトー・メルシャン 「椀子ヴィンヤード・オムニス」
もうひとつ、三大シャトー候補はシャトー・メルシャンからマリコヴィンヤード・オムニスです。
作中でも太陽ビールの島本役員が、理屈抜きに本当に美味いと絶賛したワインです。主人公の雫は、タンニンと果実味と酸味が一体になった完璧な造形美を金閣寺にたとえています。
また、フランスの五大シャトーの一角シャトー・ラトゥールを思わせるとの表現もあることから、王道ど真ん中のボルドースタイルであることがわかります。
今飲んでも長熟させても美味しいワインです。
神の雫に登場したのは2009ヴィンテージで、その後2011や2015がリリースされています。年々価格があがっているので、見つけたら即買いをおすすめします。
サドヤ 「シャトー・ブリヤン・キュヴェ・スペシャル」
最後の日本三大シャトーの一角は、日本のワイン生産者老舗中の老舗、サドヤが造るシャトー・ブリヤン・キュヴェ・スペシャルです。
サドヤはなんと大正6年創業です。このワインは同社の中でも徹底的にこだわって造られたワインで、神の雫の中で河原毛部長がこう語っています。
サドヤの自社農場で採れた選りすぐりのカベルネ・ソーヴィニヨンを18ヶ月熟成の5樽に厳選し、さらに貯蔵用の一升瓶で3年近く寝かし、もう一度移しかえたワインボトルで10ヶ月の瓶熟を行ってから初めて出荷される日本ワインのレベルを遙かに超えて手間をかけた逸品です。
これはもう長熟前提のボルドー格付けワインに真っ向勝負を仕掛けているといってもいいですよね。1万円しますが、この説明を聞けば激安とさえ思えます。
シャトー・ブリヤン・キュヴェ・スペシャルは2001年以降リリースされていません。どういう基準で販売が決まるのかがちょっとわからないのですが、とりあえず市場にあるうちに手に入れておくことをおすすめします。私も確保して寝かせています。
ちなみに主人公神咲雫によると、このワインのイメージは無駄な筋肉の一切ない艶やかな野生の馬です。
日本ワインの今後
神の雫作中ではこのように語られています。
「国産ワインはかつてのお土産イメージからは想像もできないような作品が生まれている。しかし、本当にフランスやイタリアと肩を並べるために必要なものが足りない。それはカリスマである」
つまりフランスのボルドー五大シャトーやブルゴーニュのグラン・クリュなどのスターのイメージをもったプレミアムワインがまだないと。マーケティングだけの無理矢理造ったイメージで、中身が伴っていなければダメですが、日本の場合は品質はあがって来ているのにブランディングが追いついていないとも言えます。
その意味で、日本ワインの格付けを発表したり、日本三大シャトーと銘打ったりするのは歓迎すべき動きです。新たに創業している新進気鋭のワイナリーをグルーピングして前面に押し出すのもいいですね。イタリアだって、スーパータスカンとかバローロ・ボーイズとかありますもんね。
今回は歴史も規模もあるワイナリーのプレミアムワインをご紹介しましたが、ブルゴーニュのドメーヌのような小規模ワイナリーでカルト的な人気を誇る日本のワイナリーも多く誕生しています。こちらもおすすめです。