ワインのフォトブックを作ってみた 形に残す意味を考えた

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ワインのフォトブック

いつのころからか、ワインを飲む前に写真を撮るようになりました。

義務でもないのに「たまには何も考えずそのまま飲みたい」と毎度思いつつ、ワイングラスとボトルを並べます。何千回くり返してもガリゴリとぎこちないままの動作でコルクを抜き、グラス拭きレベル2の腕で磨いたワイングラスに注ぐ。雫が跳ねないようにそっとです。すでにゆるやかに香気を放つワインもあれば、黙ったままの子もいます。グラスを戻し、カメラを構える。「その表情いただきますね」「あなたは左斜めアングルがベスト」などと、脳内演者が声かけをします。その様子にセルフウケしながら、5枚ほど写真を撮る。私がワインを飲むときの習慣です。

 

そして繰り返す一連の動作はいつしか1時間を切り、代わりに祈る時間が増えネテロの拳は音を置き去りにした。という話もわりとしたいのですが、今日はこうして撮りためたワインの写真でフォトブックを作ったら、なんかいろいろ考えさせられた。という話です。

ワインのフォトブックを作る意味

ラッツェンベルガーと桜

私は昔からわりと写真を撮ってきた方だと思います。スマホネイティブに比べると少ないかもしれませんが、犬猫や子どもがいると撮る機会も多くなるので。ただ、デジカメやさらにスマホになってからは特に撮影枚数が増えてしまい、逆に見返すことがほとんどなくなったんですよね。というか10万枚とかいう量を見返す時間なんてないです。

フィルム時代とは違い、デジタルだと気軽に撮りまくるため、テストでシャッターを切ったような写真もすべて残っています。これ思い出を振り返るときには、わりと邪魔です。何かしら選別しておく必要があるんですが、お気に入り写真をよけておこうとすると、厳選したお気に入り写真の方が多いやんけってなるんですよ。あの現象にいいかげん誰か名前付けなあかんと思う。

 

そこでフォトブックなんです。データだとあれもこれもと選んでしまうところ、物理的な制限があるフォトブックでは、本気で厳選しないと入りません。“捨てる”ための厳しい目が必要です。「できれば残したい」レベルの写真は泣きながら容赦なく切っていきます。

でもこうして徹底的にそぎ落とし、「本当に残したい写真」で作ったフォトブックだからこそ、何度も見返したくなる、想いが凝縮した味わい深いコンテンツになります。そう、まるで1本の樹に実る房を制限して育てた葡萄から造るワインのようにだよ、鬼のお兄ちゃん。僕はキメ顔でそう言った。イエーイ。

 

フォトブックいろいろ

写真を撮り、写真を選んでフォトブックを作ること。景色が綺麗だった、表情が素敵だった、珍しいものがあった、記念日だった、楽しかった。または写真自体がうまく撮れたからでもいい。そこには必ず選ぶ基準があります。人の価値観が反映されます。情報を集め、ある文脈で切り取って(編んで)、まとめること。これらはまぎれもなく「編集」です。編集されたコンテンツは面白い。そして自分で編集することはもっと面白いのです。

で、ワインのフォトブックです。このサイトを見ているならワインがお好きですよね。もしかしたら、ワインが生活の中心であるということも。飲んだワインの写真や、簡単な感想、本格的なテイスティングコメントを残している方も多いと思います。それらワインの写真やコメントには、飲んだワインの記録以上のものがつまっているはずです。ワインを買ったときの気持ちから、飲むときの様子、何かのお祝いに開けた、または逆にツラいことがあったから飲んだのかもしれません。そのときどんな暮らしをしていたか、何を考えていたのか。

ワインのフォトブックを作るというのは、そんな1本のワイン周辺にただよっている人生の背景を大きなスクリーンに集め、さらに圧縮して保存する行為のように思えます。そこには自分だけにしか見えない、だけど時々なにか人に伝わるそんな世界があります。あるんだよ、鬼ぃちゃん。

 

と、まあいい話でまとめようとしたんですが、ぶっちゃけお酒のラベルってコレクションしたくなる要素ありまくりですよね?ワインに限らず、ウイスキーや日本酒も。もしかしたら何百年と生き続けるデザイン。私がデザイナーなら、天賦の才を持つ者が 更にその才を全て投げ出してようやく得られる程の力をぶつけて、なんとかして成し遂げたいと思いますもの。

というわけで、ワイン好きなら作らない手はないです。ワインのフォトブック。実際にどんな風になったかは、この後で(やっと)。

作成したワインフォトブックはこんな感じ

それでは完成したフォトブックのご紹介です。利用したサービスはPhotoback(フォトバック)、種類は「ROUGH(ラフ)」という正方形タイプのブックを選びました。

【フォトバック】一冊から作る写真集

 

ワインフォトブックの表紙

表紙。メイン写真、タイトルとサブタイトルが入ります。作者名も入力できますが、私は入れてません。背表紙にもタイトルが入ります。縦書きもOK。

テキスト:英文Frutiger L、右寄せ中央揃え、グレー

ワインのフォトブック

レイアウトは結構な種類のテンプレートが用意されていて、ページごとに選べます。写真は1ページ最大4枚。今回は1ページに写真1枚とコメントを載せるスタイルを基本にしました。

レイアウト設定:写真1枚、フチ大
テキスト:教科書体、左寄せ

今年飲んで特に印象に残ったワインを選んでいるので、こうして見返すとまた飲みたくなります。ブックに収めるための選別を勝ち抜いてきた強者たちですからね。面構えが違う

ワインのフォトブック フリードリッヒ・ベッカー

見開き用レイアウトも用意されているので、ちょっと遊びも入れました。これはドイツ、ベッカーさんのワイン。3本あったので1ページでまとめました。ぜんぶ美味しかったなー。

レイアウト設定:写真3枚、フチ小、境界線あり
テキスト:教科書体、左寄せ

ワインのフォトブック ラッツェンベルガーと桜

激推し中のラッツェンベルガーは、見開きフチなしでどーんと。ワインも写真もお気に入りです。ここだけテキストを中寄せにして遊んでます。詩のような印象になるなーと思い。中身はぜんぜん詩的じゃないですが笑 雰囲気だいじ。

レイアウト設定:見開き写真1枚、フチなし
テキスト:教科書体、中寄せ

フォトブックの紹介なのにワインの宣伝で恐縮ですが、このラッツェンベルガー・バハラッヒャー・リースリング・ゼクトは本当に衝撃を受けたスパークリングワインなので、ぜひ飲んでほしいです。何かあるたびに全力で推してます。

ワインのフォトブック シュロス・フォルラーツ

最初と最後のページは、片側が空白になります。ここは写真を少し大きくした方がバランスよさそうだと思い、基本形から変えてみました。写真レイアウトで「フチ小」を選ぶと、写真が大きくなります。

ワインフォトブック 奥付

奥付です。上の方の空白には作成日や名前の入力が可能なので、より本っぽい仕上がりにできます。私は入れるの忘れましたけど、まあこれはこれで。

ワインのフォトブック 厚み

厚みは24ページでこれくらい。

とまあ、こんな感じでシンプルにワインとコメントだけのフォトブックです。テキスト欄に、価格や産地などを統一フォーマットで書き込めば、お店のメニューブックのようにもできると思います。

基本はテンプレートに写真と文字を入れ込んでいくだけなので、手軽に作成できます。デザインツールに慣れていない方でも直感で操作できるかと。一応、私が使った設定を載せましたが、たぶんこれ、レイアウトをどのように組み合わせてもいい感じに仕上がるようデザインされています。

Photobackで作るフォトブックの種類一覧

ワインのフォトブックにはベストな選択だったと思います。ただ、ここにたどり着くまでに、ちょっと時間がかかりました。

どのフォトブックサービスを使うか決めるポイント

ワインフォトブック エニーラ

フォトブックの作成自体はそれほど時間かからなかったんですが、条件に合うサービスを探すのに手間取りました。このあたりをお話します。

私が使ったフォトブックサービス「Photoback(フォトバック)」は、いわゆる高級フォトブックサービスの部類に入ります。ウェディングにも使える本格フォトブックがメインであるほどに。それにしてはかなり安いと思いますが。

今回はスクエア(真四角)タイプの「ROUGH(ラフ)」で作りました。16・24・36ページからページ数を選べます。24ページで作成し、価格は2640円。最小の16ページなら1760円です。

価格はワインの記録として残すだけにしては高いかな?とも思いますが、格安のとこを選ぶと、びっくりするほど印刷がしょぼいんですよね。家庭用プリンターでシアンだけ先に減っちゃった?みたいな色味とか。でもそれは、客寄せとしてギリギリで頑張ってはる商品だと思うので、文句を言うのは筋違い。きちんとした印刷や紙、製本は高いのです。それでも昔と比べたら、今は価格破壊もいいとこだと思いますけどね。今回のPhotobackくらいの金額なら、だいたい印刷品質は高めだと思います。

話がそれました。

写真品質や紙質などのこだわりポイントは人それぞれだと思いますが、ワインのフォトブックを作る場合、まず気にしないといけないのはコメントの入力可能文字数です。

 

※フォトバックは印刷仕上げです。昔ながらの写真仕上げとは質感が異なります。私は綺麗だと思いますが、プリント写真より「本」の印刷に近いと考えておいてください。

コメント入力の文字数に注意

ワインのフォトブックを作る場合、やっぱりテイスティングコメントを入れたいじゃないですか。別にかしこまったものじゃなくて、味わいの記録として。私はTwitterに投稿済みのコメントを使ったので、最大140文字しかないわけですが、それでも入力可能なフォトブックサービスはグッと減ります。

当たり前ですが、フォトブックは写真がメインです。文章はわりと添えもの扱いで、入力できる文字数が短いものが多いんですよね。26文字とか32文字とか。タイトルや簡易キャプションとしての入力を想定されているようです。

これ、ブルゴーニュだと例えば「サヴィニー・レ・ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・セルパンティエール」とかだけで32文字です。コメントどころか、生産者名やヴィンテージすら入りません。原語で表記すれば半角なのでマシですが、まあ長いものは長い。「さあフォトブック作るぞー」と、気合い入れて写真配置してからコメント入らないことに気付くと、ド派手に心を折られます。ミスチルの桜井さんでも閉ざされたドアの前で旅を終えるレベル。最初にきちんと選んで確かめてから、次の扉をノックすべきでした(やらかした)。

Photobackでは、1ページすべて文章のみのレイアウトもできますし、キャプション的に使う場合も十分なコメントスペースを取っています。もちろん、写真大きめのレイアウトでは入力可能な文字数が少なくなりますが、それでもかなり余裕を持たせてある印象です。

 

ワインフォトブック クルーガー・パーリーゲーツ

私が基本形に選んでいるレイアウトだと225文字入りました。なので、Twitter投稿では省略したワイン名なども、きちんと入れ直すことができています。

 

回避策として、あらかじめコメントをスクショして画像化、写真と同じように配置するという方法もあります。ですが、印刷時に文字がにじんだようになるかもしれませんし、テキスト周辺や行間の余白コントロールも面倒になるので、素直にテキスト入力した方がいいと思います。

製本の種類(合紙綴じ・無線綴じ・リング綴じ)

本には綴じ方(とじかた)がいろいろあります。フォトブックによく使われるのは合紙綴じ無線綴じ、たまにリング綴じってところでしょうか。それぞれ合紙製本、くるみ製本、リング製本とも言います。

合紙綴じ・・・1ページを2枚の紙で作ってあるので、分厚くしっかりしています。卒業アルバムがわかりやすいかと。180度フラットに開くので、見開きで写真を見ることができます。

無線綴じ・・・くるみ製本とも呼ばれます。一般的な「本」です。開いても完全にフラットにはならず、境目が湾曲して沈んでいるような形。1枚の紙の裏表に印刷して綴じてあり、合紙製本より価格が安くなります。

リング綴じ・・・卓上カレンダーやスケッチブックみたいなやつです。紙の一辺にたくさんの穴を空けて、リングで綴じる方式。見開きフラットにはできますが、ページ間は切れています。

Photobackにリング綴じはなく、合紙綴じか無線綴じから選びます。今回は見開きを綺麗に表示したかったので、フラットになる合紙綴じで作りました。ただ、「アルバム」より「本」のイメージに寄せたい場合は、無線綴じがいいかもしれません。見開きで完全には開けませんが、まあ写真集や漫画本などでもこの形式に慣れているわけですしね。

スマホで撮った写真が多い(縦長が多いと思います)、またはコメントがもっと長文になる場合は、無線綴じの「BUNKO(ブンコ)」がいい感じになると思います。仕上がりはそのまんま文庫本イメージ。

ワインと料理とのマリアージュ写真の場合は、レシピ本のようにもっと大きくして、大判サイズの「GRAPH(グラフ)」や「LIFE(ライフ)」で作った方が映えそうです。

編集はパソコンでもスマホアプリでも可能ですが、スマホ版は一部対応していない種類があるのと、そもそもテキスト入りの編集には向いていないなと感じました。写真のみバーッと配置するだけなら楽なんですがね。スマホ写真のアップロードもQRコードで簡単にできるので、パソコンでの作成をおすすめします。ブラウザ編集なのでWin・Mac関係ありません。

Photobackで作るフォトブックの種類一覧

ワインのフォトブックおすすめです

ワインフォトブック レ・ザルム・ド・ラグランジュ

ワイン写真やコメントをフォトブックにすると、なんというか「質量」があるんですよね。もちろん物理的な重さは当然あるんですが、アプリやTwitter、Excelなどにまとめた情報にはない身体感覚、脳が感じる手触りというか。

それに編集によって圧縮した情報は、見た瞬間に解凍されるんです。ワインを飲んだときや、買ったときの気持ち。うきうきしたり、美味しかったり、心が動いた記憶が。さらにTwitterに写真とコメントを投稿するようになってからは、いいねやリプをくださった方の顔(アイコンですが)が出てくることもあります。そのときに改めて感じた気持ちなど。忘れているんじゃなくて、普段はどこかにしまわれているものがふっと出てくる。

私は“ワインがあればそれだけで幸せ”とは思わないですが、ワインを飲んで「幸せだ」と感じた日が確かにあった。その記憶が救いになることはあるんじゃないかとは思います。

たまたま目にとまった記事を読み、たわむれにフォトブックを作ってみた。それがいつか何かの助けになることがあれば、書き手として望外の喜びです。御礼は1杯のワインがあれば十分です。DRCがいいです。よろしくお願いいたします。

【フォトバック】一冊から作る写真集

 

Photobackでは作品をギャラリーに公開できます。全ページアップしたので、興味のある方はご覧くださいませ。
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