ワイン価格とセールの事情 流通の現場で考えていること
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ワイン価格とセールの事情 流通の現場で考えていること

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ワインの価格とセールの話

ワインのセールってありがたいですよね。

先日、ワインショップCAVE de L NAOTAKA(カーブ・ド・エル・ナオタカ)の店長、戸塚尚孝さんとワイン会でご一緒したあと、ワインの価格についてこんな話をしました。

 

尚孝さん:うち50%オフセールとかやるじゃないですか。たいていの方には喜んでいただけるんですが、一部で「元値を高くして50%オフにしているんじゃないか。安く見せかけて、普段どれだけ儲けてるんだ」と言われるんですよ。

シロ:うーん……

尚孝さん:うちだけじゃなくて、レビューみてると他のショップさんでもやっぱり言われてるんですね。これね、けっこうツラいんですよ。当たり前に利益削ってやっているわけなんで。

シロ:そりゃそうですよね。まあ、そういう方からすれば、「半額にできるなら、普段からもう少し安い価格設定でいいだろ」ってことなんでしょうけど。

尚孝さん:そこをね、一度きちんとお話しておきたいと思ってるんですよ。元値となる希望小売価格というのはいろんなものを含んだ価格だし、騙しているのではなく、売る側にも事情があるんですと。

シロ:それは消費者として、とても興味のある内容ですね。ぜひお願いしたいです。

 

とまあこんな感じで、セールのことだけじゃなく、ワインの価格全般についていろいろとお話を伺ってきました。記事は少し長くなりましたが、商取引になじみのない方でも分かりやすいよう、なるべく詳細に記すことを優先しました。ワイン価格のあり方や流通・販売について、順を追って考えていけるような内容になっています。

 

戸塚尚孝さんの写真

戸塚尚孝(とつか なおたか)さん。今イチオシだというシャトー・デ・ミランジェ キュヴェ・モーツァルトとともに。こちらのワイン、取材時のおみやげにいただきました。それ以外の原稿料や物品提供、記事への介入などはありませんので、勘ぐりナシでお楽しみくださいませ!

 

戸塚尚孝さん(@cellar_likaman)は、ネットショップ「CAVE de L NAOTAKA(カーブ・ド・エル・ナオタカ)」の店長、かつ、それ以外にも全40店舗を経営する株式会社イズミセの代表取締役社長です。また、ワインのインポーター 都光の社長でもあります。

詳しくはこちらの記事で。
ワインくじは当たる?ワインショップやインポーターの仕事は?店長に聞いてきた



ワインの利益構造について

尚孝さんのお話にあった消費者からの疑問、「元値を高くして50%オフにしているんじゃないか。安く見せかけて、普段どれだけ儲けてるんだ」には、2つの問題が存在しています。

ひとつは商材としてのワインの「利益構造」、つまり価格形成に何がどう関わっているかの話。もう一つはショップでの「価格表示」について。二重価格表示に関する問題です。それぞれ分けて追っていきます。まずは利益構造から。

 

シロ:ワインの価格についての話、どこから伺っていきましょうか。

尚孝さん:まず、ワインに限らずモノの小売価格というのはいろんなものを含んだ価格であること。そして原価は、おそらく一般消費者が想像するより低いものですよと、知っておいていただきたいです。

※この記事で使うワインの原価とは、仕入れ原価のことです。製造原価については、ここでは扱いません。

シロ:たしかに原価は、商取引に慣れていなければ、感覚的には驚く数字ではありますよね。原価を暴露!みたいな話が定期的に出ますが、どれも「驚くほど安い」という文脈ですもんね。

尚孝さん:はい。そういうとらえ方をされるのもわかるんですが、仕入れ額に乗せる利益がそのまま儲けになるんじゃないですからね……。

シロ:あくまで粗利益(あらりえき)の話ですよね。そこから人件費や販促費などの販管費が差し引かれる。

尚孝さん:そうです。まずそこからして誤解がある気がしています。小売価格と原価の差額、つまり商品ごとの粗利だけをみて、原価はもっと安いのにぼったくってるとか言われるとツライです。それくらい粗利がないと小売りの商売は成り立ちません。ワインだって他のモノと同じなんですよ。

シロ:そりゃそうですよね。

※一般的なモノの話として、小売業の場合の原価率は50%〜70%程度と言われています。例としてイオン株式会社で64.3%(2022年2月期)。ざっくり600円で仕入れたモノを1000円で売り、400円が粗利益となります。業種やビジネスモデルによって大きく変わりますが、一応の目安として記載しておきます。

 

尚孝さん:例えばネットショップで1万円のワインセットがあるとして、送料無料にするとだいたい600円〜800円くらい負担しますよね。これだけでもう6%〜8%粗利が減るわけです。さらにカード決済手数料やモールの手数料(楽天など)、倉庫代、人件費がかかります。「注文を受けたワインを送る」だけでもこれだけかかっています。実際は他にもいろいろな経費があり、積み重なると大きいんですよ。

シロ:なるべく経費を少なく、利益が残るようにするのが経営だとしても、どうしてもかかるもんはかかりますよね。

ワインの希望小売価格はどう決まる?

ワインショップの写真

シロ:それではワイン価格の話を。ワインの価格の決め方って、ワイナリーは関与しているんですか?実売価格は当然ショップごとですが、希望小売価格については。

尚孝さん:いえ、輸入ワインの希望小売価格はインポーター(輸入者)が決めます。輸入品の場合は輸入者がメーカーになるので。ワイナリーはインポーターへの販売価格を提示しますが、最終いくらになるのかには口出ししません。一部の有名ワイナリーでは、グローバル価格がある程度決まっているワインもありますが。

シロ:ああ、一部の有名ワイナリー(察し)。尚孝さんとこは、カーブドエルナオタカなどが小売店で、グループにインポーターの株式会社 都光もありますよね。

尚孝さん:そうです。ウチの場合だと、輸入したワインの希望小売価格を決めるのはインポーターの都光です。

シロ:ショップとインポーターが同じグループということで、いわゆる直販になりますよね。それなら間に卸(おろし)が入らない分、希望小売価格も低く設定されます?

尚孝さん:いえ、ウチは他社のショップさんにも卸すので。まず一般的な輸入ワインの流通について説明しますね。多くの酒屋、スーパーでも見かけるような、流通量の多いワインの場合です。

ワイン流通の図

尚孝さん:最初にインポーターがワイナリーからワインを買い付けます。それを大きな問屋に持っていくんですね。一次卸とも言われます。そこから分けられて地方の二次卸に。そして二次卸から酒販店に、つまり小売店にいきます。

シロ:これはワインに限らず、広く行われている商流ですよね。ワインの場合も同じと。

尚孝さん:そうです。そして当然、インポーター、一次卸、二次卸、小売りのそれぞれが利益を乗せていきます。この全員がきちんと利益を取れる価格が希望小売価格になります。まずはこれが基本と思ってください。

流通から卸売業者を“中抜き”する直販の是非

港のコンテナ

シロ:卸売りを経由していく商流が基本。でも、世間の風潮としては、卸売業者は悪者にされがちですよね。直販にして、中間マージンカットしたほうが安くできるという理由で。

尚孝さん:そうですね。間に卸が入らなければ、その分安くできるというのは事実ですから、そこは直販のアピールポイントになります。ただ、卸売業者をすべて取っ払っていたら、規模の小さい小売店は存続できないです。取り扱い数が少ないところは、直接売ってはもらえないですから。それでいいのかって問題はあります。

卸売業者の役割の図

卸売業者は、需要に合わせてモノを配分する機能をもつ。実際はもっと細分化している。

 

尚孝さん:また、インポーターや一次卸側も困るんです。新商品などは、何もせずに仕入れてもらえるわけではないので、営業活動が必要になります。地方の小売店まですべてまわるのは不可能です。少ない売り先に大量に買ってもらう方が効率いいのは当たり前ですよね。だから、規模の大きな一次卸があり、主に地方をまとめる役割として二次卸があり、そこからさらに小口に分けられ、小売店にいく仕組みになっています。

シロ:必要だから残っているんですね。もちろん直販で安くなるなら消費者としてはありがたいですが、売り手が増えて、大量に流通することで下がる価格もありますよね。

尚孝さん:そうですね。ロットが増えると1本あたりの仕入れ額は安くなるので、実売価格を下げやすくなりますね。なので、どちらを選んでもメリットデメリットはそれぞれあります。ウチは直販も流通もやっているので、どの立場の事情もよくわかります。ただ、世の中に供給を増やそうとすると、やっぱり流通に乗せたほうがいいんですよ。1社だけで頑張るのとは、販売量が違いますから。

ワイン半額セールの事情

CAVE de L NAOTAKA

シロ:今までのお話だと、直販のワインと他社にも卸すワイン、それぞれに利点がありますが、銘柄によって変えたりするんですか?その判断はどうしてますか?

尚孝さん:基本は卸すつもりで買い付けています。ただ、インポーターとしてはどんどん流通させていきたいんですが、そんな簡単に商流にのるわけじゃないんですよ。販売実績がないとどこからも採用してもらえないんです。ウチは日本では無名のワインを探してくるのでなおさら。だから、まず自社のショップで売ります。

シロ:なるほど。

尚孝さん:でもこれがまた、知らないワインってほんとに飲んでもらえなくて。販促費かけてブランディングしても、なかなか消費者の手にとってもらえないんです。一度飲めばわかってもらえる自信はあります。だから、セット割引きや50%オフなどで訴求するんです。

シロ:半額セールでどかーんと盛り上げるわけですね。それで販売実績もできると。

尚孝さん:そうです。まずは、とにかく飲んでもらって認知を高めないといけないから、利幅は薄くても直販で値引きする。その販売実績をもって、ルートに乗せてさらに販売を拡大していくんです。

シロ:まずは自社で、売れる商品として育てていくんですね。

尚孝さん:はい。でもこのやり方にも問題はあります。最初に50%オフとかやっちゃうので、自分で値段を崩してしまうんですよ。本来の価値より安いワインというイメージがついてしまう。

シロ:なるほど、最初に半値を見てしまうから。

尚孝さん:自分でもわかっているんですけど、お得感がないと、知らないワインってほんとに飲んでもらえないんですよ。地元では売れているワインなので、味はいいんです。でも日本で売れないと、品質のいいワインでも継続して輸入できない。ここはジレンマで、悩んでいるところです。

シロ:うーん、なるほど難しい。でも、今人気のあるワインだって、無名の状態から誰かが売る努力をして育ててきたわけですよね。最初はそんな高いワインじゃなかったと思うんです。人気が出るにしたがってある程度高くなってくるのは、ワイン好きなら理解ありそうな気がしますが。

尚孝さん:そうですね。ウチでも、このやり方で定着して今では人気ブランドになっているワインもあります。もちろん他社さん含め、通常の価格で販売されています。でも、単品で指名買いされるまでになるのって、かなり時間がかかるんですよ。そんな簡単じゃないんです。

シロ:そうですよねえ。売れなくて撤退してしまったワインも多くあるんでしょうし。直販は利益率高いといっても、リスクを取っているわけなんですね。

尚孝さん:はい。インポーターによっては、昔から取り扱いアイテムがほとんど変わらないところもあるんですよ。確実に売れる物ばかりをそろえる。でも、それだけをやっていたら、新しいワイナリーが入っていけないんです。次のスターが育たない。

シロ:それは消費者としても嫌ですね。新しいのがどんどん出てくるほうが楽しい。なるほど、試行錯誤されてるんだなとよくわかりました。

尚孝さん:取り扱い数が多いので、すべてのアイテムに注力できるわけじゃないですが、セールやセットに入れてお客さんの反応を確かめながら、売れるワインにしていくことをずっと意識していますよ。

シロ:葛藤はあると思いますが、消費者としては尚孝さんとこのセールは続けてほしいですね。

尚孝さん:そうですね。とりあえず、販売実績ができて他社さんでも扱ってもらえるようになったワインは、もう大幅値引きはできないので、うまく立ち回ってお得に買ってください笑。

セールの二重価格表示問題について

セールの看板

さて、ここでもう一度冒頭の消費者からの声、「元値を高くして50%オフにしているんじゃないか。安く見せかけて、普段どれだけ儲けてるんだ」に戻ります。ここでは「価格表示」の面からみてみます。いわゆる二重価格表示の不当表示問題です。

二重価格表示とは、「通常価格2500円→1980円」のように販売価格と比較用の価格を同時に表示することです。これ自体に問題はありませんが、ルールを守らないと景品表示法で禁止されている不当表示となります。

 

シロ:当店通常価格などの、セール時に表示される元値をつり上げているのでは?という疑問に対してはどうでしょう?

尚孝さん:セール時に比較として表示する通常価格は、普段からその価格で販売しているという実績が必要になります。セール時だけ通常価格を引き上げることはできないです。

 

※楽天市場から引用「値引き商品の元値表示について」
直近2週間でその価格での販売実績があり、かつ、以下のいずれかにあてはまるものであること。
・過去8週間のうち合計で4週間その価格での販売実績がある
・販売期間が8週間未満の場合、合計で販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績がある
https://ichiba.faq.rakuten.net/detail/000006830

 

シロ:景表法で実績とされる期間より前に、通常価格を引き上げておくことはできませんか?

尚孝さん:楽天市場の場合ですが、セール前の値上げは厳しくチェックされますよ。不正なものじゃなくてもね。以前にサクラレビューの取り締まりが厳しいという話をしましたが、楽天は不正に対してのチェックを相当真剣にやっています。休店や退店処分もあるので、疑われるようなごまかしに手間をかけるのは、わりに合わないと思います。

シロ:では、最初からずっと高めの通常価格を設定しておくというのは?

尚孝さん:そんなことしたら普段まったく売れませんよね。まあ通常期の売上を捨てて、セールのみで稼ぐという手法がないとは言いませんが、ワインだと難しいんじゃないかなあ。ワインの消費者はそんなに甘くないですからね。ウチはやらないです。

シロ:この際だから、気になることぜんぶツッコんでおきますけど、セット商品にして価格をうやむやにしてしまうとかは?

尚孝さん:セット商品の場合、元値を表示するなら単品での販売実績が必要です。つまり「5本総額1万5000円がセットで1万円」と表記するなら、5本それぞれ単品で販売していた実績期間が必要で、その合計価格が1万5000円でなければいけません。

シロ:なるほど。福袋はどういう扱いになりますか?

尚孝さん:福袋は価格も中身も自由で大丈夫です。販売実績がなくても、福袋の価格よりどれだけ高価なものを入れてもいいんです。上限はありません。ただし、「総額3万円以上のものが入っています」のように表記しちゃうと、セット商品と同じ扱いになりますね。

シロ:あくまで比較価格を表示するかどうかの問題で、それがなければ中に何が入っているかは問題ではないんですね。

尚孝さん:そうですね。福袋は開けた人しか内容がわからないので、公式な取り決めや縛りはないです。

ワインアプリに表示される平均価格のワナ

疑う猫の写真

尚孝さん:そうそう、価格表示に関係する話なんですが、アプリでワインの平均価格が出るやつあるじゃないですか。

シロ:(……Vivinoかな?)

尚孝さん:あの価格をみて、「ほら普通はもっと安い」って言われることもあるんですよ。でもあれは世界平均とは言っても、現地の小さなワイナリーが国内直販している価格も入っているんです。そりゃ安いですよ。どこも間を通してなくて、じぶんで直接近所に売ってるだけみたいな価格なんですから。

シロ:ああー、あれはそういうことですか。販売数の少ないワインだと、それだけで平均価格をグッと押し下げてしまいますね。

尚孝さん:はい。ウチは日本では無名のワイナリーを探してくるので、現地も含めた平均価格だけで判断されると厳しいですね。

シロ:うーん、なるほど。でも消費者にはそんなん分からないですしねえ。

尚孝さん:そうですね。だから現地価格と日本の価格を一緒にして比べるのはどうかな?というところですね。遠くから持ってくるので、いろいろな費用がかかっています。日本酒だってヨーロッパで飲むと高くなりますし。

シロ:日本酒はヨーロッパではかなり高くて3倍の値付けって、在住の方が言ってるの見かけますね。

尚孝さん:ですね。ただ、ワインに関しては、グローバルに展開している銘柄だと自国内を含めた国際価格がある程度決まっているワインもあります。多くの方はそういう有名銘柄の価格をまず見るでしょうし、世界平均がちゃんと機能していると思ってしまいますよね。

 

モエ・エ・シャンドンとヴーヴ・クリコ

 

シロ:でもあれ、ワインによって「ユーザーが提供した価格」と、「オンライン小売の価格」のときがありますよね?

尚孝さん:ショップとして出店申請して商品を登録すると、表示が日本のオンライン小売価格に変わりますね。

シロ:おおぅ、めっちゃビジネス。

こぼれ話:コスパがいいワイン

シロ:ワイン価格の仕組み、いろいろクリアになりました。ありがとうございました。当たり前ですけど、値付けってやっぱ重要ですねえ。いろいろ考えてやってはるんですね。

尚孝さん:流れを予測して、最初にしっかり決めないといけないですからね。慎重に考えますよ。まあおかしな値付けになっているワインもあるんですけどね。最近だとインドミタ

インドミタ[セラー専科]

 

シロ:ん?インドミタそうなんですね。SNSでも人気ありますよね。みんな、価格と味のバランスが狂ってるって褒めてますね。

尚孝さん:インドミタは、卸値にウチの利益ほぼ入れず流通にのせてるんですよ。グループ内にまだ卸がなかったころに、ウチだけで売ると決めた直販価格のままなんです。だからコスパよくて当然なんですよね笑。

シロ:ええ?笑。なんでそんなことに。

尚孝さん:最初の直販での価格がちょうどよすぎたんです。エントリークラスが600円くらい、グランレゼルバが1000円台前半、その上のデュエット プレミアムが1000円台後半と、ぴったり売れ筋の価格帯に沿っているんですよ。ここを崩さないほうがいいかなと思って。

シロ:なるほど、それぞれのマーケットに合ってるんですね。

尚孝さん:そうなんです。だから卸の問い合わせをいただくようになってからも、スーパーなどの店頭価格を上げたくなくてそのままの希望小売価格で。まあ量が売れると取引先もワイナリーも喜んでくれるし、これはこれでいいかとそのままにしてます。全部がこんなだとやっていけないですけど。

シロ:はー、そんなケースもあるんですね。もともとはどうやって探してきたんですか?

尚孝さん:別のワイナリーからの紹介です。海外の展示会で声をかけたワイナリーが、他社に決まってしまっていて。それなら知り合いにいいとこありますよと、紹介してもらったのがインドミタでした。

シロ:ふむふむ。

尚孝さん:それで直接サンディエゴに行ったら、めちゃくちゃデカイ企業なんですよ。航空会社持ってるレベルの。なのに日本のインポーターがまだついてなくて、これはラッキーだと。かなり設備投資もしていて、味わい安定していていいですよ。

シロ:なるほど巨大資本なんですね。インドミタまだ飲んでないんですけど、興味でてきました。

尚孝さん:ぜひ飲んでみてください。ブラインドで飲んでもいい線いくと思います。

 


インドミタ デュエット プレミアム 3本セット

何を選ぶかは消費者の自由

ワイン価格について、インポーターや小売店の立場からお話を聞いてきました。

消費者として私は、この話の元になった「元値を高くして50%オフにしているんじゃないか。安く見せかけて、普段どれだけ儲けてるんだ」について、疑問に思う気持ち自体はわかるんです。

でも、(たぶん)中のことをよく知らないまま、“お店の悪意”だと決めつけてるのがよくなかったと思うんですよね。実際に事業リスクを負ったり、現場で汗をかいたりしていない人が言うのもなー……とも思いますし。ちょっと言葉が悪くなってしまっただけかもしれませんけどね。

「店の人だってこんな風に言われたらしんどい」と、心情と内情をここまで話してくださった尚孝さんには、本当に感謝しております。

この記事を最後まで読んでどんな感想を持つかは、それこそ立場や考え方によって違うと思います。それでいいと思います。経営手法にしても何でもそうですが、完璧なシステムなどありません。みんながそれぞれマシなやり方を探して、迷いながら悩みながら試行錯誤するだけです。消費者も自分が好きなように選んでいけばいいんです。選択肢があることが社会の豊かさ。違う選択をした人を否定する必要はありません。

私は気になったワインをポチポチと単品で組み合わせていくほうが多いんですが、セット値下げやセールも大好物です。これからもワインのセールがあったら喜んで買います。飲んでよかったら「うまい!」と言いまくります。それが次につながっていくと教えていただきましたからね!

 

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