リーデル最高級ワイングラスを飲み比べた結果は?ボルドー編
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リーデル最高級ワイングラスを飲み比べた結果は?ボルドー編

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Bordeaux-wineglass

高級ワイングラスの代名詞ともいえるリーデル(Riedel)ですが、その中でもハンドメイドシリーズといわれ、1本1本職人が手作りしている最高級ワイングラスがあります。同社の看板ブランドである「ソムリエ」シリーズと、さらにデザイン性を高めた「ソムリエブラック・タイ」がそれです。そして新たなハンドメイドワイングラス「リーデル・スーパーレジェーロ」シリーズが登場しました。

スーパーレジェーロ

ワイングラスの「型」としては、ソムリエシリーズでもう完成されていると思っていましたが、スーパーレジェーロはさらに「薄さ」と「軽さ」を追求したワイングラスです。口に当たるリム部分の薄さが味に影響することはわかっていますので、これは期待できます。

今回リーデル様のご厚意で、スーパーレジェーロなどハンドメイドワイングラスをお借りできました。ありがたや。手持ちのグラスと合わせ、ワイングラスによる味の変化を見るべく「一人試飲大会」をやりましたのでレポートします。お借りしたからといって、コメントを好意的にいじることはしません。さて、新登場のスーパーレジェーロはどれほどの違いがあるのか。



リーデル・スーパーレジェーロとは

Riedel Superleggero

細かな特長は、リーデル公式サイトにゆずりますが、従来のハンドメイドシリーズよりさらに薄さと軽さを追求したワイングラスが、リーデル・スーパーレジェーロです。

はじめて触ったスーパーレジェーロの感想は、「めっちゃ軽っ。ステムほそっ!」。経験から無意識にワイングラスの重さを推測してしまっているようで、持ち上げたときに脳が裏切られる感覚があります。面白い。

Superleggero-weight

スーパーレジェーロ・ボルドーの重さ。驚異の134g。ほぼ同じ大きさの他社製ワイングラスが296gでした。そしてなんと小ぶりで軽量なオヴァチュア(137g)よりまだ軽い。なんだこれ。このあと比較写真が出てきますので、びびってください(笑

リーデルのハンドメイドワイングラス比較試飲

今回試すリーデルのワイングラスは6種類。ボルドータイプ3種とブルゴーニュタイプ3種となります。

riedel-handmade

ボルドータイプ(左から)

  • ソムリエ ボルドー・グラン・クリュ
  • ソムリエ ブラック・タイ・ボルドー・グラン・クリュ
  • リーデル・スーパーレジェーロ・ボルドー・グラン・クリュ

 

riedel-handmade1

ブルゴーニュタイプ(左から)

  • ソムリエ ブルゴーニュ・グラン・クリュ
  • ソムリエ ブラック・タイ・ブルゴーニュ・グラン・クリュ
  • リーデル・スーパーレジェーロ ブルゴーニュ・グラン・クリュ

それではまずボルドーからいきます。ボルドータイプのハンドメイドワイングラス3種に、リーデル以外のブランドから同じような長身タイプのワイングラスを1脚、そしてリーデル・オヴァチュア・レッドワインを合わせ、5脚で試します。

wineglass-Bordeaux

  1. リーデル・オヴァチュア・レッドワイン
  2. 他社製ワイングラス
  3. リーデル・ソムリエ
  4. リーデル・ソムリエブラック・タイ
  5. リーデル・スーパーレジェーロ

並べて見ると、リーデルのハンドメイドシリーズ(3〜5番)は、背の高さこそ違えどボウルの形はほとんど同じです。差が出るのかちょっと不安……。

ch.branaire ducru

ワインは、シャトー・ブラネール・デュクリュ2008を選択。価格は6000円〜8000円ほどのワインでメドック格付けは四級です。

使用ぶどうのメインはカベルネ・ソーヴィニヨンで、メルローとカベルネフランをブレンドした王道のボルドースタイルです。ちなみに神の雫では2回登場。みやびちゃんがソムリエを目指すきっかけになったワイン。再登場は物語後半の第41巻。一青サイドで結構重要なポジションを取りました。

ch.branaire ducru-cork

状態チェック。ブショネでなく、劣化もしていません。問題なし。

ワイングラス比較 ボルドーワイン試飲1日目

tasting-redwine

  1. リーデル・オヴァチュア・レッドワイン
  2. 他社製ワイングラス
  3. リーデル・ソムリエ
  4. リーデル・ソムリエブラック・タイ
  5. リーデル・スーパーレジェーロ

すべてのワイングラスにワインを注ぎます。この時点で結構な香りが立ちのぼります。注ぎ終わって写真をとって、一呼吸おいてからいよいよ試飲です。

まずは香りから。カシスの香りと若干のスパイシーさがあります。1番のオヴァチュアが明らかに香りが弱い。まあ小ぶりグラスなので仕方がない。2番の他社製はオヴァチュアとハンドメイドの中間。そしてハンドメイド3種はほどよく香りがあがってきます。なかでも4番のブラックタイが一番香りが強いと感じました。ただ、これよく見ると注いだ量が他よりちょっと多いですね……。そのせいかも。

味が混ざらないように、パンと水で舌をリセットしながら順番に何周も飲んでいきます。

まだ全然開いてなくて硬く渋いことを予想はしていましたが、開けてすぐのワインも試飲しておかねばなるまいと思い、敢えて飲んでみました。が、早くもスーパーレジェーロだけが開きかけている。これ、たぶんワイングラスの軽さによるものです。手に持ってみるとわかるのですが、ワイングラスが大きいのに軽いので、グラスをくるくると回しやすい。スワリングがとても綺麗にできます。比較のためあまり回さないようにしていましたが、それでも差が出ます。

さて、ワイングラスによる味わいの変化ですが、この時点ではスーパーレジェーロだけが開きかけていましたが、3〜5番のハンドメイド3種間では衝撃を受けるほどの差はありませんでした。さすがに1番2番とは違います。香りと複雑さがあきらかに増します。安いイヤホンから高級イヤホンに代えた感じ。今まで聞こえなかった音が聞こえてくる、そんなイメージです。下記にざっくり表にしてみました。表の「ボディ」は、濃さとか複雑さとかのイメージ。

【ボルドーワイングラス比較 抜栓後すぐ】

香りボディ酸味甘味余韻
オバチュア
他社製
ソムリエ
ブラックタイ◎+
レジェーロ○+○+

そしてひらいた状態のワインを飲むために、ボトルに残ったワインをおいておきます。デキャンタしてすぐに飲んでもいいんですが、これ以上飲むと酔っ払ってきますし……。翌日はブルゴーニュの試飲をするつもりだったので、2日後に同じように試しました。

ワイングラス比較 ボルドーワイン試飲2日目

2日後の試飲結果です。

【ボルドーワイングラス比較 抜栓2日後】

香りボディ酸味甘味余韻
オバチュア
他社製
ソムリエ◎+
ブラックタイ◎+◎+
レジェーロ◎+◎+

シャトー・ブラネール・デュクリュが本領を発揮してくれました。カシスや香辛料の香りに加え、ミントやチョコが強めに出てきました。果実味がありながら、落ち葉や土のような「枯れた」イメージもあります。これは良いワイン。

ワイングラスによる違いですが、はっきりわかるのは香りボディ。ハンドメイドシリーズ3種はあきらかに骨格を持って出てきます。

1番のオヴァチュアは小ぶりグラスなのに頑張っていると思いますが、やはり香りが弱く、タンニンがぼけます。渋みをあまり感じないので飲みやすいといえば飲みやすいですが、複雑さがないです。

2番はオヴァチュアよりはいい程度。こちらもやはりリーデルハンドメイドの3〜5番とはかなりの差があります。アフターに関しては、すべてのワイングラスで違いは感じられませんでした。そんなはずはないと思って何度も飲みましたが、やはり差はない。

ソムリエ、ブラックタイ、スーパーレジェーロの3種類の比較としては、ソムリエとブラックタイは同じになるはずなんですが、なんど周回してもブラックタイの方が甘味を感じます。そして酸味が柔らかい。スーパーレジェーロは、ブラックタイとは逆に、ソムリエから甘味を引いて酸味を足した感じです。とはいえ、すべて若干の差なので好みのレベルです。

おすすめのリーデルハンドメイドワイングラスは?

riedel-handmade

今回ワイングラスを試してみて、単にグラスが大ぶりであればいいわけではないと痛感しました。ブランドは伏せましたが、使用した他社製のワイングラスもそこそこいいグラスです。ただ、リーデルのワイングラスに比べると分厚くて重いのです。特にグラスの厚さがワインの味わいに及ぼす影響はかなりあると感じました。小ぶりでありながらオヴァチュアが健闘しているのは、きっとグラスが薄いからです。(とはいえ、小ぶりグラスはやっぱり限界がありますが)

このハンドメイド3種のなかでどれを選ぶかと言われれば、かなり迷います。私は酸味が弱いワインの方が好みですので、その点ではソムリエかブラックタイとなります。デザイン的にはブラックタイが美しすぎて大好きです。が、スーパーレジェーロにはワインを開かせやすいという特長があります。

Superleggero1

うーん、でもやっぱり普段から一人のときでもワインを開けることを考えるとスーパーレジェーロですね。一人だとデキャンタなんて面倒でやらないので、すぐにワインが開いてくれるのは魅力的です。それにこの価格帯のものを買うなら、値段よりも一番品質に納得できるものを選んだ方がいいので。何よりこの薄さ軽さは驚異的で、ワインを飲み慣れた方ほど手に持ったときにびっくりされると思います。まだ持っている方も少ないワイングラスだと思いますので、プレゼントにもいいと思います。

リーデル・スーパーレジェーロ

次はブルゴーニュ編です。
最高級リーデル・ソムリエを超えるワイングラスは?ブルゴーニュ編



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