ブルゴーニュでワインを造っているドメーヌ、ジョルジュ・ルーミエは、世界中のワイン愛好家から絶大な支持を得ている造り手です。神の雫ではシャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズが第一の使徒に選ばれました。
・Georges Roumier Chambolle Musigny 1er Cru Les Amoureuses
ジョルジュ・ルーミエ・シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ザムルーズ
近年、力強いタンニンと深いコクが好まれる傾向にある赤ワインにおいて、ブルゴーニュのワインはその対極にあるともいえる、繊細でエレガントな味わいを持ちます。
そのブルゴーニュワインの中でも、エレガントさを最も体現していると言われるドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ。現当主クリストフ・ルーミエが、これまた繊細でシルキーなワインができるシャンボール・ミュジニー村で造るワインが、ジョルジュ・ルーミエ・シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ザムルーズです。
希少性が高いので、ねらったワインを手に入れることは難しく、また見つけたとしても非常に高価です。でも一度は飲んでおきたいワインです。
今回は神の雫第一の使徒に選ばれたワインの造り手、ジョルジュ・ルーミエのおすすめワインをご紹介します。
Photo by:酒宝庫 MASHIMO
ジョルジュ・ルーミエのおすすめワイン
ワインの品質の評価、そして生産本数が少ない希少性から、ショップ店頭でルーミエのワインを見かけることは少なくなります。ワインショップでシャンボール・ミュジニーを見かけて「神の雫第一の使徒を見つけた!」と思っても、たいていそれは違う生産者です。
ネットでなら、ジョルジュ・ルーミエのワインもそこそこ見つけることができます。レ・ザムルーズ以外にも良いワインは多くありますよ。
ルーミエがよくわかるおすすめのワインをご紹介します。
Photo by:PC250768r / kyaabo
シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ Chambolle Musigny Les Amoureuses
神の雫第一の使徒に選ばれたジョルジュ・ルーミエのシャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(アムルーズ)は、ネットでの価格をみると20万〜40万円です。ヴィンテージによってはもう少し安いものもありますが、普通はパパッと手を出せる価格ではないですね。
もともとプレミア感のあるドメーヌで、世界中にその名が知れ渡っている中、神の雫で使徒に選ばれた一発目のワインでしたから、価格はこうなってしまいます。しかし、レ・ザムルーズだけでなく、ジョルジュ・ルーミエのワインは高価ではありますが、その価格に見合う評価を得ているのも確かです。
その他の使徒:神の雫使徒一覧
ミュジニー・グラン・クリュ Musigny Grand Cru
ジョルジュ・ルーミエの看板ワインは、こちらのジョルジュ・ルーミエ・ミュジニー・グラン・クリュです。シャンボール・ミュジニー村にある特級畑ミュジニーの葡萄で造ります。
生産本数が少なすぎて、入手は非常に困難です。なんでも年間300本程度とか……。あのロマネ・コンティでも年間6000本生産していますので、その希少性がわかります。一生に一度は飲んでみたいワインです。
探すときは、シャンボール・ミュジニーではなくミュジニーです。価格はお察し。
追記:もう市場にないです。最後に見た価格は120万円でした。
ボンヌ・マール・グラン・クリュ Bonnes Mares Grand Cru
ボンヌ・マール畑は、シャンボール・ミュジニー村とモレ・サン・ドニ村にまたがっている特級畑です。
この畑の葡萄から造られるジョルジュ・ルーミエ・ボンヌ・マール・グラン・クリュは、ミュジニーと同じくジョルジュ・ルーミエを代表するフラッグシップワインで、かなり高価で希少なワインです。
ボンヌ・マールは、ブルゴーニュの人気生産者コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエとジャック・フレデリック・ミュニエも所有しており、高品質の葡萄が造られます。大変人気のあるワインで、その価格も大変なものになっています。
シャンボール・ミュジニー Chambolle Musigny
村名ワイン、ジョルジュ・ルーミエ・シャンボール・ミュジニーです。畑名のレ・ザムルーズよりも広域の村名ワインになりますが、大変すばらしいワインです。
価格も本数も比較的手に入れやすくなっていますので、まずはこのワインを探してみるのをおすすめします。
シャンボール・ミュジニー・レ・クラ Chambolle Musigny Les Cras
シャンボール・ミュジニーにある1級畑レ・クラの葡萄で造られたワイン、ジョルジュ・ルーミエ・シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・クラです。
レ・クラはミネラルがある土壌として有名な畑で、ルーミエ以外の生産者ワインでも人気の畑です。
モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ブシエール Morey St Denis Clos de la Bussiere
モレ・サン・ドニ村は、シャンボール・ミュジニー村の北隣にある村です。そのモレ・サン・ドニ村の1級畑クロ・ド・ラ・ブシエールから造られるのが、ジョルジュ・ルーミエ・モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・ブシエールです。ブシエールはビシエールやビュシェールとも表記されます。
比較的手に入りやすいので、ルーミエのワインをすぐに飲みたい時などにおすすめです。
ブルゴーニュのワイン名の意味
ブルゴーニュワインの名前は非常に長く、また似たような名前が数多くあります。これは、県や地域の呼び名、村名、畑の名前、造り手などを組み合わせてワイン名称にしているためです。
ワインを覚えたての頃はこれが分かりにくいので、ブルゴーニュワインを敬遠しがちになります。同じ畑でとれた葡萄で複数の生産者がワインを造ったりしているので、さらにややこしい。シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ザムルーズも複数あります。
表にするとこんな感じになります。
広域名 | ブルゴーニュ |
県名 | コート・ドール、ヨンヌ 他 |
地区名 | コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ 他 |
村名 | シャンボール・ミュジニー、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ 他 |
畑名 | レ・ザムルーズ(アムルーズ)、ミュジニー、ボンヌ・マール 他 |
生産者 | ジョルジュ・ルーミエ、コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ、ロベール・グロフィエ 他 |
これを組み合わせて名前が付けられます。
畑の名前まで入っているワインの方が一般的に高品質
神の雫第一の使徒であるジョルジュ・ルーミエ・1er・Cru・シャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズは、ジョルジュ・ルーミエという造り手がシャンボール・ミュジニー村の1級畑レ・ザムルーズでとれた葡萄だけを使って造ったワインということになります。
1er・Cruはプルミエ・クリュ(1級畑)という畑の格付けです。さらに上の格付けがグラン・クリュ(特級畑/Grand・Cru)です。
対して例えば「(生産者名)・ブルゴーニュ」という名称のワインは、ブルゴーニュ全域から買い付けた葡萄を使ったワインです。
高品質の葡萄は畑名ワインに使いますので、「ブルゴーニュ」銘柄はたいてい二軍以下の葡萄を混ぜて作ります。そのため味は落ちてしまいますが、安価で楽しむことができます。
葡萄の栽培範囲が狭くなるほど高級、つまり良いモノから順に畑名→村名→地域名→広域名ということになります。
優れた造り手の“広域ブルゴーニュ”には高い価格がつくことも
有名なドメーヌが造ったブルゴーニュ広域ワインは、下手な造り手による村名ワインや畑名ワインよりも味わいが優れていることがあります。
これが価格にも反映され、高価なブルゴーニュ広域ワインが存在しますので、またややこしくなります。一般的には、単一畑で造られるワインの方が高級で美味しいと覚えておけば十分です。
この名付け方がわかってくれば、自分の好みのワインを探しやすくなります。ブルゴーニュワインは、造り手を軸にしていろいろな村や畑を試し、好みを探していくのがおすすめです。
ワインは天・地・人。天は天候、つまりヴィンテージに表れます。地はテロワール、地域や畑の質ですね。そして人は造り手です。これは神の雫作品全体のテーマでもありますが、非常に優れたワイン分類、理解の仕方だと思います。
- 天・・・天候。ヴィンテージによるワインの出来。
- 地・・・地域、畑のテロワールによる違い。
- 人・・・シャトー、ドメーヌなど造り手ごとの違い。
ヴィンテージはグレートイヤーの把握や長期の保存、飲みごろワインの入手の難しさなど、こだわるにはものすごくコストがかかります。はじめはヴィンテージは気にせず、地域と造り手で選んでいくのが基本です。
最初はシャンボール・ミュジニー(村名)がおすすめ
ジョルジュ・ルーミエは上記の他にもたくさんのワインを生産していますが、やはりルーミエを知っていくには、最初はシャンボール・ミュジニー村のワインを探して飲んでいくことをおすすめします。
村名ワインのジョルジュ・ルーミエ・シャンボール・ミュジニーを基準にしていくといいのではないでしょうか。
シャンボール・ミュジニーはワイン好きであれば、間違いなくほとんどの方が飲みたいワインですので、プレゼントにも最適です。
中でもレ・ザムルーズは恋人たちという意味なので、女性へのプレゼントにもいいですね。プロポーズの鉄板ワインとも言われています。
シャンボール・ミュジニーのワインを造るのはルーミエのほか、ヴォギュエ、フレデリック・ミュニエ、ドルーアン・ラローズなども有名な生産者です。すべて優良生産者ですので、彼らの造るシャンボール・ミュジニーと飲み比べてみるのも面白いですね。