ワインが好きだと公言してると、たまに「おすすめのワインはなんですか?」って聞かれるんですよね。
そんなとき、とりあえず即答できるのがコノスルです。味わいがよくて安価、バリエーションも豊富で、わりとどこでも買えると三拍子も四拍子もそろっています。
いや、相手の好みがわからないことにはおすすめできないよ……というのはもっともなんですが、会話として求められているのはまず返答です。話題として振ってみただけかもしれませんしね。
なのに、「赤が好きですか?白ですか?すっきり系としっかり濃いのどっちが好みですか?」などと細かいところを聞き返して、「あなたアキネイターなの?」と正体がバレたら困りますし、さらに想定金額の探り合いで一手ミスった日には、複雑に絡み合った人間模様がオーバードライブしかねません。はもん?はもんしっそうだとォ?
だからとりあえずおすすめワインを聞かれたら、「コノスルかコノスルですね。それかコノスル」と、強火の思想でコノスルイズムを全開にしておいて、ツッコミを待ってから細かい話をするのがいいです。これは会話の上級テクニックなので覚えておくと便利です。私は使ったことないですけど。
さて本題です。真面目な話、とりあえずおすすめしといても大丈夫なワインとして、コノスルはやっぱりすごいと思うんですよ。700円からという誰にでもおすすめできる金額も含めて。最近は競合ワインのレベルもかなり上がっていて、同価格帯で名を上げる他の銘柄も出てきましたが、それでもやっぱりコノスルは定期的に話題になる、いつでも安定して美味しいワインです。まさに安ワイン界のズッ友だょ。
そんなコノスルですが、価格帯ごとにシリーズを展開していて、安ワインの範囲内でも複数の選択肢があるんですよね。一番安いのは700円台のビシクレタです。でも上のクラスが300円とか400円の差なら、味わい的にそっち選んだ方がよくない?との声もしばしば。私もかねてよりそう思っていました。コスパ最強はもう一段上のレゼルバ・エスペシャルシリーズ(約1100円)だと。
でもそれって本当?思い込みじゃない?DAN DAN 心魅かれてない?ってことで実験です。協力者を募り、みんなでコノスルの各シリーズを同時に、かつどれか分からないようブラインドで飲んで比較しました。果たして本当におすすめできる、コスパ最強のコノスルはどのシリーズなのか?検証していきます!
メンバーはこちらの4人です。
青野さん(@mino_vincurry)
オムライスさん(@CsJ5GPVrbWZwCy0)
豆しばさん(@mame_wine)
シロ(@salewine22)
目次
どのシリーズのコノスルを比較するか
では、コノスルシリーズ飲み比べの準備というか、前提確認です。
コノスルには以下のシリーズがあります。
コノスルシリーズ | 参考価格 | 種類 |
ビシクレタ・レゼルバ(旧ヴァラエタル) | 700〜800円 | 赤7白5ロゼ1 |
オーガニック | 900〜1000円 | 赤4白2 |
コセチャ・ノーブレ(甘口) | 1000円前後(375ml) | 白1 |
レゼルバ・エスペシャル(ヴァレー・コレクション) | 1000〜1200円 | 赤5白3 |
スパークリング | 1100〜1400円 | 白1ロゼ1 |
シングルヴィンヤード | 1500〜1800円 | 赤7白3 |
20バレル・リミテッド・エディション | 2000〜2500円 | 赤5白2 |
センティネラ | 2200〜2800円 | 白1 |
オシオ | 6000〜8000円 | 赤1 |
シレンシオ | 9000〜20000円 | 赤1 |
今回は基軸となるシリーズとして以下の4シリーズで比較します。
- ビシクレタ・レゼルバ
- レゼルバ・エスペシャル ヴァレーコレクション
- シングルヴィンヤード
- 20バレル・リミテッド・エディション
2つのシリーズにレゼルバの名がついていたり、やたら長かったりして分かりにくい。このままでは異世界風呂屋のお婆様に、「贅沢な名だね」と怒られてしまうので、この記事では順にビシクレタ、レゼルバ、シングル、20バレルと呼びます。わかったら返事をするんだ。
果実味豊かでフレッシュなタイプ。熟成は木樽も使うが、主にステンレスタンクで。普及ワイン。
レゼルバ
品種ごとに適した産地のぶどうで造る。ビシクレタより熟成期間が長く、樽の比率もあがる。複雑さ、深みも楽しめるワイン。
シングル
品種ごとに最も適した畑の、さらに区画まで限定したブドウで造るワイン。ラベルには区画番号が付けられる。
20バレル
特別な畑で、収量制限なども行うプレミアムシリーズ。当初20樽しか造られなかったことが名前の由来。
これら4シリーズそれぞれに、ブドウ品種ごとのワインがあります。今回は、すべてのシリーズでリリースされている3品種を選びました。
- シャルドネ(白)
- ピノ・ノワール(赤)
- カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)
この3品種×4シリーズで比較飲みをします。他にもシリーズ共通品種はあるのですが(シラー、カルメネール)、傾向をみるための基本品種としてはこれで間違いないでしょう。余談ですが、ソーヴィニヨン・ブランやリースリングが共通じゃないのが意外でした。
さあ、ということで届きましたよ。コノスルはちょこちょこ飲んでいますが、集中して飲むのは全種類(50本くらい)を一気に飲んだ4年前の記事以来です。このときは、ひとりで半年くらいかけて飲みました。
当時はこんな企画にノッてくれるワイン友達がいなかったので、同時に多くを開けられなかったんですよね。ありがたいことです。
ブラインド対決前に勇姿を写真に収めておきます。それにしてもプレミアムシリーズ入れて、これだけ買っても1万7000円なんですよ。やっぱコノスル安い。
なんとなく、これから始まるバトルを予感させるコノスルたちの佇まい。
ちなみに右のカウンターから見下ろしているのは、ビルの屋上で「ふーん、面白くなりそうじゃん」「……くだらん」とか言うてる強キャラ異能コンビです。よろしくお願いします。
あ、そうそうヴィンテージはほぼ統一しているのですが、ビシクレタはやはり新しいのがすぐ市場に出てくるらしく、他より若くなっています。シリーズによって熟成期間が違うので、リリース時のヴィンテージがバラバラなのはまあ当たり前か。
なので意識して過去のヴィンテージを探すのではなく、今普通に売っているものを選んでいます。その方が記事の主旨、買い手の行動としても自然だよね?と考えました。結果的にビシクレタ以外はほとんど同じヴィンテージになりましたが。
買ったお店とタイミングはすべて同じです。
ビシクレタ レゼルバ シングル 20バレルを飲み比べ
それでは、会場に集合してコノスル飲み比べの準備開始です。
今回のルールは、ブラインドでコノスルのシリーズを飲み比べ、価格順だと思うとおりに並べてみようというもの。
1. ビシクレタ(750円)
2. レゼルバ(1100円)
3. シングル(1600円)
4. 20バレル(2200円)
ショップによって多少ブレますが、それぞれの実売価格は私の買値に近い上記のとおりとします。でもブラインドで飲んだら、実はビシクレタが上のクラスより美味しく感じるとかあるんじゃない?みたいなことを期待しているわけです。
さて、どうなるか。
まず、改めてメンバー紹介とそれぞれのコノスル歴です。コノスル歴?
Twitterをみる方はご存じだと思いますが、青野さんは愛媛でワインバー「ブルーノ」を経営するソムリエです。企画に即答で「行きます!」と言ってくださいました。ありがとうございます。四国からはるばる神戸までコノスル飲みに来てくれるなんて、なんていい人だ。お礼にコノスル送っておきます。
コノスル歴:ビシクレタとレゼルバを中心に数本経験あり。
オムライスさん(@CsJ5GPVrbWZwCy0)
いつもどおり会場(事務所)をご提供いただいたオムライスさん。今回は4人でブラインドなので、同じワイングラスが最低16脚必要なんですが、「ありますよ」と余裕の返答。なんで事務所にそんなにあるんだよ。左手で触ったものを右手でコピーする念能力者なの?
コノスル歴:ビシクレタ・シャルドネだけ飲んだことある。
豆しばさん(@mame_wine)
豆しばさんはワインにハマってまだ1〜2年の好青年。なんですが、「ボーナスを前借りしてルフレーヴ買いました!」ってさらりと言うネジがぶっ飛んだ変人です褒めてます。ちなみに6万円のやつ。普段いいワインばっか飲んでいて、安ワインはあまり飲んでいない印象。コノスルにどんな反応を示すか。
コノスル歴:コノスル飲んだことない。
シロ(@salewine22)
この記事を書いている者です。「サマータイムレンダ」の素晴らしさを後世に伝えるために生きています。
コノスル歴:最上級のシレンシオ以外は全品種全シリーズ飲んだことある。
以上のメンバーでコノスルブラインド比較飲みを行います。みんなあんまりコノスル飲んでないですね。当てにいくんじゃなくて、自分が価格順だと思うとおりに並べるので好都合ですが。じゃないと私が完全優勝してしまいますからね(フラグ)。
さあワインを準備しましょう。と、あらかじめオムライスさん事務所に送っておいたコノスルたちが、セラーの高級ブルゴーニュを下に敷いて横たわっています。なんかそこはかとなく背徳の……瞳?(V2)。
今回ブラインドテイスティング用のボトルカバーとか持ってないし、事務所なのでアルミホイルとかもないので、グラスに色違いの付箋を貼って判別する方式にしました。全員でいったん部屋を出て、誰か一人(今回は青野さん)が色ごとに同じワインを注いでいきます。
ただ、これだと青野さんにはどのワインかわかってしまいます。なので、青野さんの分だけは、私が注ぐというやり方です。道具がない状態でブラインドゲームやるときのご参考に。
※記事ではややこしくなるので、全員統一して記載していきます。
ではルールが分かったところで、早速始めましょう。と、その前に。
お水を用意。さらに「よいときOne」を飲んでおきます。これさえあれば、鬼に金棒、師匠に丸太。いきなり部屋に吸血鬼が入ってきても大丈夫です。
「みんな丸太は持ったな!行くぞォ!」
コノスル シャルドネのシリーズを飲み比べ
さあ、ではいよいよコノスルブラインドテイスティング開始です。まずはシャルドネ。
みんな無言で何度も香りをとって、味も確かめていきます。
シロ:豆しばさんどう?
豆さん:微妙です。難しいですね。
オムさん:自分が満足するものを、思ったとおりに並べるだけですからね。間違えてもいいんですよ。……と、防衛策を講じておく。
いやー、やっぱね。ブラインドだとつい当てにいっちゃいますね笑。でもまあ、価格順に並べるので、主旨から外れるわけではないですし。
私はこのとき、ビシクレタと20バレルはすぐにわかったんですが、真ん中の2つ、レゼルバとシングルでどっちが高いか今ひとつはっきりしなくて悩んでいました。やっぱりブラインドで飲むとけっこうわからないもんだな。
青野さん:じゃあそろそろブラインドの答え言いましょうか。まずビシクレタから。
シロ:(ふむ、ビシクレタは青のグラスだな。すっきり味だったしこれは余裕)
青野さん:ビシクレタは黄色のグラスです!
な、なんだってー!いきなり外したやんw 待って、DDプリンセスばりに頭のなか元気スプラッシュでカーニバルしてる。私だけコノスル全部飲んでんねんで。みんな、ほかのみんなの答えは?
3人ともまったく一緒や!w もしかして青野さんも?
あ、あれ?青野さんは違う。これはどういうことだ?
ということで考察タイムのはじまり。
なお、本来の価格順は(最安)ビシクレタ→レゼルバ→シングル→20バレルです。この名前と順番を記憶しておかないと、こんがらがってくるので、今いちど確認お願いします!
豆さん:[回答レゼルバ→ビシクレタ→シングル→20バレル] 一番果実味がすっきりしていたのがレゼルバだったんですよね。だからエントリークラスだと思いました。自分が好きな味わいはシングルです。酸と果実の厚みがあって、全体的なバランスもよくて。20バレルはとにかく樽ですね。濃いものが高いんだろうと思って並べたらこうなりました。
オムさん:[回答レゼルバ→ビシクレタ→シングル→20バレル] 僕もシングルが一番上質だと思いました。酸の入り方がしっかりしています。明らかに他とは違う。20バレルは樽感ですぐにわかります。ただ、一番上の価格としましたが、好みとしては樽が強すぎてちょっと……。難しかったのは、ビシクレタとレゼルバです。レゼルバのほうが味わいが少し弱いと感じたので、エントリークラスにしたんですけどね。
シロ:[回答レゼルバ→ビシクレタ→シングル→20バレル] 20バレルはまあ特殊として、お二人ともシングルはすぐに上のクラスだと判別されていたんですね。私は、最安と最高値はすぐに判別できて、真ん中の2つ、レゼルバとシングルで迷っているつもりでしたが、実際はビシクレタとシングルで迷ってたんですねえ……。
オムさん:でも系統としてはビシクレタとシングルは同じ線上にあると思いますよ。ビシクレタの上級がシングル、レゼルバの上級が20バレルってイメージです。
青野さん:ああー!それすごく腑に落ちます。
シロ:いやー、フォローありがとうございます笑。青野さんはどうでした?
青野さん:[回答ビシクレタ→シングル→レゼルバ→20バレル] ビシクレタは淡い味わいで、たとえるならいろはすレモンの濃いめ。逆に20バレルは鬼樽でオイリー、レモンバターのよう。この両端2つはすぐにわかりました。迷ったのはレゼルバとシングルです。タイプは違いますが、どちらが上の価格帯かという判断がしづらかった。
シロ:レゼルバとシングルが逆になりましたね。また、お一人だけ、レゼルバをエントリークラスだとは思わなかったんですよね。
青野さん:レゼルバはヴァニラ風味があって少し甘く感じたからですね。エントリークラスではないだろうと。これははちみつレモンのイメージです。シングルは、酸がシャープでシトラスの苦みがあります。レモンスカッシュって感じですね。真ん中2つの価格帯が逆になったのは、20バレルをお手本にしたためです。最上級クラスがオイリーな樽感、果実と甘さが強めなので、コノスルはそれらをよいものとしてとらえてるのかなと思いました。だから傾向として近いレゼルバの方を上に持ってきたんですが、読みがはずれたー。
さすが特徴をとらえてはりますね。このあとオムライスさんの「レゼルバが開いてきた」という言葉で、ふたたびテイスティング開始。たしかに最初と違う。みんなでかなり美味しくなったと評価が変わりました。どうもレゼルバの開くのが遅かったせいで、3人はビシクレタと間違えた様子。
オムさん:レゼルバの後味に厚みが増して、上質な雰囲気に変わりましたね。これはむしろシングルより素直で飲みやすいかも。シングルの酸味とバランスは素晴らしいんですが、ワインを飲み慣れていないとピンとこない可能性がありますしね。あと、シングルは価格帯が上がる分、それなりのインパクトが求められる。となると、価格を下げてレゼルバを飲むか、20バレルで樽ドーンのどちらかにしたほうが満足度高そうです。
青野さん:レゼルバとシングルにレベル差はあまりなくて、使い分ける感じですね。料理に合わせやすいのは酸の高いシングルです。レゼルバも淡泊な料理を選ばなければ大丈夫ですが。でもレゼルバは、1000円そこそこという価格がやはり優秀です。
いやー、予想してたより違いがあって楽しいですねこれ。
青野さん以外の3人は、開けてすぐのレゼルバの評価が低いのですが、かなり高評価に変わりました。あくまでブラインド結果のみをみるべきか迷ったんですが、化けるまではほんの10分ほど。なので、一応こちらも考慮することにしました。想定どおりにいかないのが実験というものだ、うむ。
そしてこのあともみんなで話し合い、だいたいの傾向は出そろいました。ということで、コノスル・シャルドネの結論です。自分が好き、もしくはおすすめしたいのはどのシリーズ?
豆さん:やっぱりシングルが一番です。でも酸が高いので、飲み続けられるワインとしては(開いた後の)レゼルバかな。
青野さん:自分のなかで、レゼルバとシングルの評価が拮抗しています。でも価格を考慮するとレゼルバですね。飲みやすいので初心者にもおすすめです。
オムさん:ブルゴーニュ好きとしては、「酸とバランス」のシングルですね。
シロ:やっぱり飲みやすいレゼルバ。でも普段あまりワイン飲まない人には、樽感でびっくりさせたくて20バレルをおすすめしてしまう。
ということで、最初から評価が分かれたんですが、コノスル・シャルドネはレゼルバかシングルがおすすめ!です。ポイントは酸味でしたね。酸味族のお二人がシングル推しなので、わかりやすい。
コノスル ピノ・ノワールのシリーズを飲み比べ
次はピノ・ノワールを飲み比べます。メモを取ったあと、答え合わせの前にちょっと雑談。
豆さん:何度も飲んで、ますますわからなくなってきました。もう好み順にしておきます。
オムさん:違いはあるけど、価格帯を予想するのが難しいですよね。ビシクレタはまあこれでしょうとは思いますが。
青野さん:そうそう。どれも系統は違うけど、どの価格帯でもあり得る感じ。ぜんぜんわからーん。
シロ:一番高い20バレルがわからんってのが困る。突出して美味しくあってほしい。
オムさん:たぶん20バレルはわかりました。外したら悲しいですけど。
みんなシャルドネで傾向をある程度つかんだので、さらに真剣にブラインドテイスティングやってます。結局当てにいってしまう笑。全員がビシクレタはすぐに判別できた様子。あとの3つで迷っていました。
では答えです。ほい。
ビシクレタは、全員がエントリークラスだと判別できました。
そしてなんと、オムライスさんが最も高いワインだと予想したのはレゼルバでした。これよこれ。欲しかったんですよ、こういうのが。実は私も、酸味と重く沈んだ感じから20バレルを最も高いワインに選びましたが、いいなと思ったのはレゼルバです。
青野さんはまた真ん中の2つ、レゼルバとシングルが逆。私も同じです。そして豆しばさんはシングルを一番上にもってきていますね。さて、これをどう考えましょう。
青野さん:[回答ビシクレタ→シングル→レゼルバ→20バレル] イメージはビシクレタから順に、干しイチジク、干しブドウ、カシス、プラムです。レゼルバが一番ピノ・ノワールらしさがありますね。シングルはカシス、そしてタンニンが抜けたカベルネ・ソーヴィニヨンみたい。20バレルはどっしりジャミー。酸が助けてくれてますけど、やはりピノ・ノワールっぽくはなくて、サンジョヴェーゼのようです。それかオーストラリアのシラーズ。それくらい重さがある。ピノとしての良さを求めるかどうかで、評価が分かれるワインです。
オムさん:[回答ビシクレタ→シングル→20バレル→レゼルバ] 僕は20バレルはあまり……。答えを知ってから飲んでも、やっぱりレゼルバが美味しい。香りもいいし、1100円でこのクオリティはすごいと思います。優秀ですよ。外したから言うわけじゃなくてー……くぅーん。
シロ:[回答ビシクレタ→シングル→レゼルバ→20バレル] いやいや、わかってますって笑。私はずっとコノスルはレゼルバ推しなんですけど、やっぱり飲みやすさがいいんですよね。外しましたけどね笑。シングルが果実味強めで、レゼルバがバランスよく複雑だったので、価格帯はシングル→レゼルバの順だと思ったんですよね。
豆さん:[回答ビシクレタ→レゼルバ→20バレル→シングル] 自分は最初シングルが一番好みでした。でも開いてきてからはレゼルバですね。特に香りがいいです。この子だけブルゴーニュに近いところがあります。順位を下げたのは、注ぎたてはスパイスやハーブの風味が前面に出ていたから。ワイン飲み始めのころは少し苦手だったんです。今は平気になりましたが。
オムさん:ありますね、スパイスとハーブの風味。適度な刺激がありながら、バランスよく整っていて自然体。飲んでいて楽しいのはやっぱりレゼルバですよ。スロースターターなところがあるので、映画などを観ながらゆっくり飲むのに最適なワインです。
青野さん:そうですね。華やか果実系ではないですけど、ちょっと複雑で熟成感も出ているんですよね。この価格帯ではかなり貴重です。
とまあ、ブラインド結果はさまざまでも、レゼルバの評価が非常に高い。青野さんのコメントにあるように、ピノ・ノワールっぽさが素直に出ている感じがありました。好みはあるとはいえ、やっぱり1100円でこの味わいは優秀です。
そして、ここで誰も触れないビシクレタについて。安いワインは単体では楽しめても、同時に飲むとやはり粗が目立ってしまいます。それでも、価格を考えるといいかもと思うのですが、どうでしょう。
シロ:ビシクレタは全員すぐ判別できましたが、どうですかね。
青野さん:うん……
オムさん:まあ……
豆さん:安い……ですよね。
シロ:フォローほしがったの、しっぱい。
青野さん:料理と合わせたらなんとか。そうですね、鱧(はも)の湯引き梅肉ソースとか……
オムさん:ありますよ。
一同:!?
オムさん:ありますよ、鱧の湯引き。
青野さん:なんで鱧が事務所にあるの!?
オムライスさんはこの日、コノスル会の前にフランス総菜店の記念レセプションに参加されていたそうです笑。すごい偶然。こちらのハモの湯引きはラタトゥイユなので、梅肉ソースとは違うのですが、合わせるなら酸味のある料理だよねということで。
それでまあ合わせてみたのですが、料理のクオリティと繊細さに見合っていないという感想。まあワイン700円ですからね。豚しゃぶをポン酢で、くらいのカジュアルさのほうがいいとのことでした。
さあ、ということでコノスル ピノ・ノワールの結論はもう出てますね。圧倒的にレゼルバです。レゼルバを飲むべきです!
コノスル カベルネ・ソーヴィニヨンのシリーズを飲み比べ
それでは最後です。コノスル カベルネ・ソーヴィニヨンの4シリーズ飲み比べ。
ここではようやく価格順の正解者がでました。いや、当てっこではないんですけどね。
はい。青野さんと私、みごとに正解でございます!まあ私は全部飲んだことあるので、ようやくかよって話なんですが。青野さんはさすが、最後にきっちり合わせてきました。
青野さん:エントリークラス2つは、青々としたミント香が特徴です。ビシクレタのほうがみずみずしいというか淡泊に感じたので、レゼルバとの上下がはっきり分かりました。20バレルは樽爆発のバニラコーヒー。なので残った1つがシングルです。こちらは凝縮感がある果実味が特徴で、カシスとプルーンのイメージですね。
ほえー。コメントからも、確信を持って選んでいるのがわかりますね。ちなみに私は「あんまり差ないなあ」と思いながら、ギリギリの選択ですw
そして、カベルネがあまり得意でなく、普段ほとんど飲まないお二人。
おおお?豆しばさんが、両極のビシクレタと20バレルを逆にしています。答えを聞いている途中に、「もうダメだ……」と宙を見つめてつぶやいていたのはこれか。なぜ選んだのでしょう?
豆さん:20バレルは果実味よりピーマンがきつく感じて。そんなに複雑だとも思わなかったんです。逆にビシクレタは香水のような香りでハーブ感もあって、すっきりまとまっているなあと。それがけっこういいなと思ったんですよね。まさか逆だとは……
オムさん:なるほど。苦手な要素が出ているものが下になっているんですね。わかります。意外とビシクレタのクオリティが高いってこともあるのかな。
青野さん:いい表現でいうとビシクレタはジューシーですね。
オムさん:再確認したいんですけど、もういいかなって気分です笑。
シロ:いや、確かめてよ笑。シャルドネ・ピノとの扱いの差よ。
ということで、苦手なワインってのもそりゃあるよねーという話に。私はわりと順番そのままの味わいなんじゃないかなと思いました。ただ、実際の価格を考えると、そこまでの差があるようには……という印象。やはりビシクレタが優秀なんですかねえ。ここからすでにしっかりした味わいでしたし。
ではコノスル カベルネ・ソーヴィニヨンの結果です。一番好き、もしくはおすすめしたいシリーズは?価格も考慮してね。
青野さん:やっぱりレゼルバですかねー。
豆さん:青臭くなくて飲みやすいビシクレタです。
オムさん:レゼルバです。でも、そもそもあまりカベルネが得意じゃないので、あてにしないでください……
シロ:絶対レゼルバだと思っていたけど、ビシクレタで満足できてしまっている。
はい。まとめると、コノスル カベルネ・ソーヴィニヨンはビシクレタかレゼルバがおすすめ!です。価格帯で違いは出てきますが、やっぱりビシクレタの750円、レゼルバの1100円はすごいです。
おまけ:裏の王者
ピノ・ノワールの飲み比べをしているときの話です。
シロ:20バレルがふるわないですね。一番高いのに。
オムさん:バランスがあまりよくないと思います。酸味が先行しすぎて、他の要素が弱い感じがしますね。
青野さん:アフターの甘いバニラ香など、樽感はよく出ていますけどね。
豆さん:シングルのほうが果実味がきれいで美味しいですね。
オムさん:そう。果実味のシングル、酸味の20バレル。この2つが混ざったら美味しいと思う。
シロ:え?やってみましょうよ。
ということで、シングルと20バレルを混ぜてみました。
ここはすみません!快く思わない方もいらっしゃると思いますが、思いついたら試さずにいられなかったんです。
シロ:うまい!ジャミーだけど、整っている。
豆さん:余韻がめちゃくちゃよくなっています。これが最高じゃないですか?
オムさん:うん、今日の一番出たかもしれない。レゼルバ超えた。
青野さん:ぜんっぜんイケる!シングルは甘さの抜けたカシスリキュールみたいだなと思っていたんですが、樽と酸が入ってこれは化けましたね。
間違いなくこの日のナンバーワンでした。
結論!コノスルはどのシリーズを買うべきか
さあそれでは、目次からいきなりここに飛んだ方のためにまとめです。(本文もあとで読んでね!)
コノスルのシリーズ、ビシクレタ、レゼルバ・エスペシャル、シングルヴィンヤード、20バレルで、ぶどう品種ごとのおすすめは?
レゼルバかシングル。ブルゴーニュ好き、酸味のあるワインが好きならシングルを。
・ピノ・ノワール
レゼルバ一択。
・カベルネ・ソーヴィニヨン
ビシクレタかレゼルバ。まずビシクレタで、満足できなければレゼルバ。
レゼルバ強し!
20バレルの人気がなくて寂しいのですが、「抜栓から数日経たないと本来の実力を発揮できないのかもしれない」と青野さん。また、ピノ・ノワールに関してはワイングラスの影響もあるかもと。今回は径の小さなグラスを共通で使いましたからね。
でも、ワイン飲み始めのころからいきなりブルゴーニュグラスのような大ぶりグラス持っていることはまれでしょうし、価格帯から言っても、開けてすぐ美味しいのはポイントでしょう。今回の主旨としてはこの結果ということで。
青野さん:コノスルは全体的に、あんまり樽を効かせないほうがクオリティを感じやすいのになって思いますね。
オムさん:それは思いますね。振り返ると、レゼルバがどれものびのび自然に造られている感じがします。複雑さはシングルが一番です。
ですね!ブラインドでは、みんな20バレルをちゃんと最も高いワインにもってくる率が高かったんですが、ちょっと樽が強いかなという感想。かつ、レゼルバの価格が安すぎる(20バレルの約半額)ので、おすすめとしてはどうしてもそっちにいってしまいました。
でも前から思っていたコノスルはレゼルバが最強!は間違ってなかったぞおお!これからも自信を持っておすすめしていきます。
そして、やっぱり大人が集まって真剣に遊ぶのはおもしろいですね。ワインは楽しくそれができるのがいい。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。またなにかやると思うので、そのときは見てやってくださいませ。
あ、青野さんのワインバーでもブラインド遊びできるみたいですよ。愛媛県今治市に行ける方はぜひ。「アド街をみた」って言えばやってくれるんじゃないかな!かな!
ワインバー ブルーノ [MAP]
〒794-0041 愛媛県今治市松本町1丁目4−5 かんむらビル3F