春に広島のワイナリー巡りをしてきました。
広島県といえば、日本酒の「日本三大酒どころ」として西条が有名(ほかは兵庫の灘と京都伏見)ですが、実はブドウの産地でもありワイン生産も盛んです。新興ワイナリーも増えています。これらがわりと移動しやすい範囲に集まっていて、順に巡っていくとドライブがてらのけっこう楽しい旅になるんですよ。
うまく計画を立てれば1日でかなりの場所に行くことができますし、ほかの観光と合わせてゆっくり何泊かの旅行にもできます。少し時間が取れるならぜひぜひ。
本記事では、私が訪れた広島のワイナリーをご紹介します。旅行プランの参考になれば幸いです。
目次
広島のワイナリー
広島のワイナリーで有名な所は以下の通りです。
- 広島三次ワイナリー
- せらワイナリー
- 瀬戸内醸造所
- ヴィノーブルヴィンヤード
- 山野峡大田ワイナリー
- 福山わいん工房
だいたい規模が大きい順に並べてみました。これらのワイナリーはやろうと思えば1日で回れます(車移動)。ワインツーリズムと言えば山梨や長野、北海道あたりが有名ですが、広島もワイナリーが増えていてわりと回りやすくなってきたなと思います。
また、範囲を島根や鳥取、岡山まで広げて、中四国エリアを観光しながら何泊かするのもオススメです。わざわざ関西や関東から行く価値ありますよ!
広島ワイナリー巡りのルート
地図に広島ワイナリーの場所をプロットしました。回り方の一例として、三次市(みよしし)の三次ワイナリースタートのルートを示します。(移動は車、三次市は広島市から1時間ほどです)
順番としては、
A.広島三次ワイナリー
↓
B.ヴィノーブルヴィンヤード
↓
C.せらワイナリー
↓
D.瀬戸内醸造所
↓
E.福山わいん工房
↓
F.山野峡大田ワイナリー
が回りやすいかと思います。ですが、山野峡大田ワイナリーの終了時間が15時なので、最後に行くとたぶん間に合わない。全部回るなら順番を変えたほうがいいです。山野峡大田ワイナリーはそのまま古民家宿泊もできますし、ルートとしてはけっこう綺麗なんですけどね。
ワイナリーは早ければ9時から開いてますが、各ワイナリーによってまちまち。終了時間も15時〜17時と差があります。順番を工夫すれば1日でも可能なのですが、すべてのワイナリーに行くとゆっくりはできません。このプランは車移動に4時間半〜5時間かかる計算になります。時間に余裕を持たせるには、最大でも4箇所くらいにしておくのがいいかと。
内陸部にある三次ワイナリーとヴィノーブルヴィンヤード、せらワイナリーを1日で回り、瀬戸内海側にある瀬戸内醸造所と福山わいん工房、山野峡大田ワイナリーを別日にするのが回りやすいですかね。
私は四国観光(ワイン関連ではない)と組み合わせて1泊したので、2日に分けて上記のうち5つのワイナリーを訪れています。福山わいん工房だけ行けなかったのですが、こちらはJR福山駅から徒歩でいける都市型ワイナリーなので、また今度でも気軽に行けそうだと判断して今回は外しました。いつか絶対に行きます。
それでは各ワイナリーを順番に紹介します。
広島三次ワイナリー
最初に訪れたのは広島内陸部の三次盆地にある広島三次ワイナリーです。ワイナリーとしての営業開始は1994年。ワインは国内外から高い評価を受けており、実際とても品質のいいワインを造っています。
わりと朝早く9時半から開いているので、最初に行きやすい。
敷地は広く、そもそもが観光の拠点として開発されたこともあって、工場醸造所やワイン販売所、カフェ、レストラン、バーベキューガーデン、野外芝生ステージと施設が超充実しています。駐車場も広くて快適です。
道を挟んだ向かいにはみよし運動公園もあり、子どもが喜びそうな大きな遊具があります。また、農産物販売所のトレッタみよしなども近くにあり、この周辺だけで1日過ごせるコンテンツがそろっています。
ワインの貯蔵庫やタンクなどは自由に見学できます。
無料試飲も充実。ぶどうジュースもあるので、車の方や子どもたちも楽しめます。
ワインやお土産を置いている物産館とは別に、めちゃくちゃしっかりしたワインカーヴもあります。三次ワイナリーといえばやっぱり「TOMOE」ですよね。
数々の受賞歴を誇るプレミアワインがずらずらと並んでいます。こちらは有料試飲もできます。車じゃなければオススメです。無料試飲のものよりクオリティ高いです。
お土産にワインとやまなみぶどうジュースを買いました。三次ワイナリーは本当にワインのクオリティが高くて美味しいので、ぜひいろいろ飲んでみてください。私はこのTOMOE 木津田ヴィンヤード マスカット・ベーリーAと、シャルドネ・待月に度肝を抜かれました。ほんまに美味いです。この価格は信じられない。
名称 | 三次ワイナリー |
住所 | 広島県三次市東酒屋町10445-3(MAP) |
電話 | 0824-64-0200 |
営業時間 | 9:30~18:00(ワインショップ) |
定休日 | 1月~3月の第2水曜日、12月29日~1月1日 |
試飲 | 無料(一部有料) |
駐車場 | バス10台・乗用車100台 |
公式サイト | https://www.miyoshi-winery.co.jp |
ヴィノーブルヴィンヤード
さて次は三次ワイナリーから車で15分ほどの場所にあるヴィノーブルヴィンヤードです。
こちらは新興かつ小規模のいわゆるブティックワイナリーにあたりますが、ヨーロッパ最大のワインコンペ「IWSC2022」でゴールドメダルを獲得、世界一になったことで一気に知名度が上がりました。実際かなり本格派の高品質ワインを造っています。
受賞したのはソーヴィニヨン・ブランですが、ピノ・ノワールやセミヨン・スパークリングもおすすめ。セミヨンはG7広島サミットで提供されたワインでもあります。
販売所は靴を脱いでスリッパに履き替えるシステム。ワイン購入のほか、ワインの試飲もできます(有料)。コーヒーや瀬戸内レモネードもありました。
ワインの澱下げに使われるピュピトルにボトルを挿して陳列。おしゃれ。
平日に伺ったのでお客さんが少なく、醸造所内のタンクや瓶詰めの様子を見学させてもらえました。ラッキー。
ヴィノーブルヴィンヤード代表取締役の横町崇さんは、元三次ワイナリーの醸造担当者で、その後は山梨・勝沼の勝沼醸造でもブドウ栽培、ワイン造りをしていた方です。現在は自社ワイナリーの経営のほか、ワイナリー運営のコンサルティングもなさっています。ワインはさすがの品質。ぜひいろいろお試しください。
名称 | ヴィノーブルヴィンヤード |
住所 | 広島県三次市四拾貫町1371(MAP) |
電話 | 0824-55-6182 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
定休日 | 月〜金(土日のみ営業) |
試飲 | 有料 |
駐車場 | 30台 |
公式サイト | http://vinoble-vineyard.jp/ |
せらワイナリー
せらワイナリーは、広島県世羅町の「せら夢公園」内にあるワイナリーです。場所は三次市の南、世羅郡にあります。三次ワイナリーから車で40分程度なので、同じ日に行きやすいです。
全体は大きな県民公園で、子どもが遊べる遊具や広大な芝生が広がるレクリエーション広場、ピクニックができる草原などがあり、一日楽しめます。地域では遠足の集合場所にもなっているみたいですね。イメージがつかめますでしょうか。
これはワイナリー内だけの敷地。公園全体の一部です。
ワイナリーだけでもけっこう広く、ワイン工場のほか、ワインショップ、レストラン、バーベキュー設備、産直市場などがそろっています。足湯館なんて施設もありました。
ワイナリー内を走るミニSLがあります。実際に石炭を燃やして走るので、黒煙も匂いも本格的。大人20人が乗れるパワーがあるとのこと。小さなお子さんにも喜ばれそうです。
SLに乗ると、レストランやショップで割引が受けられます。お土産をいっぱい買うなら乗ったほうがお得かも?(たしかJAF会員の割引もあって、こちらも同率の5%引きだったと思います)
昼食にご当地バーガーの「せらバーガー」を食べてみました。チーズ&バジルにしましたのでチーズで中身がみえませんが笑。さすがトマトとの相性抜群で美味しかったですよ。
ずらずらとワインが並ぶショップ。
ワイン関連のほか、広島のお土産も売ってます。
ワインショップでは無料試飲ができます。
世羅町はハニービーナスが有名だそうですね。広島県生まれのアロマティック品種。とても甘い香りのワインができます。
こちらのせらワイナリー 百花・ブリズ・ハニービーナスをお土産に買いました。これは結構ドライなタイプで、甘い香りとのギャップをかなり感じました。ワインを飲み慣れてない場合は、素直に甘口タイプを買ったほうがいいかも。
名称 | せらワイナリー |
住所 | 広島県世羅郡世羅町黒渕518番地1(MAP) |
電話 | 0847-25-4300 |
営業時間 | 9:00~17:00(3月〜12月) 10:00~16:00(1月〜2月) |
定休日 | 毎週火曜日、年末年始 ※祝日およびイベント期間は営業 |
試飲 | 無料 |
駐車場 | 一般車両500台 バス等20台(せら県民公園 11台/せらワイナリー 9台) |
公式サイト | https://www.serawinery.jp/winery.html |
瀬戸内醸造所
さて次は、三原市にある瀬戸内醸造所です。ここは立地・景色がすごいんですよ。名前のとおり瀬戸内海に面した場所で、海を見ながら食事ができる「レストラン mio」も併設しています。
レストランではワインとの相性を考えたコース料理などが味わえます。コンセプトは「ワインに合うSETOUCHI料理」。瀬戸内の食材を使い、洋食をベースに和のテイストを加えたものに仕上げているとのこと。
瀬戸内海を眺めながらいただく料理とワイン。最高ですね。私は今回車でのひとり旅だったので利用しませんでしたが、行かれるならぜひ食事も一緒に(要予約)。
瀬戸内醸造所では、地元三原市で収穫されたブドウのほか、隣の竹原市や兵庫県神戸市のブドウを使ったワインも醸造しています。「瀬戸内」だから、ということだそう。スタッフさんに聞けば、ワインの詳細を説明してもらえます。
三原ニューベリーAをお土産に買って帰りました。「ニューベリーA」ってなんだ?と思ったら、マスカットベーリーAを生食用に種なし処理したものだそうです。名前が変わるんですね。「ベーリー」から「ベリー」になってるし。果実味豊かないいワインでした。
名称 | 瀬戸内醸造所 |
住所 | 広島県三原市須波西1-5-26(MAP) |
電話 | 050-3749-9902(レストランmio) |
営業時間 | ワインショップ/11:00〜17:00 レストランmio/11:30〜16:00(L.O.) |
定休日 | 火曜・水曜 ※その他、作業のため不定休あり |
試飲 | 有料 |
駐車場 | 16台 |
公式サイト | https://setouchijozojo.jp |
山野峡大田ワイナリー
山野峡大田ワイナリーは、広島県福山市の北端にあるワイナリーです。周辺はのどかな田舎町で、道中も渓谷に沿って自然豊かな景色が続きます。
ワイナリーの規模としてはだいぶ小さく、営業は基本的に日曜日のみ。ですが、付近で畑仕事をされているので、電話すれば来てもらえるそうです。田舎の小さなワイナリーにはよくある風景です笑。とはいえ、ご迷惑にならないよう、どうしても日曜日以外に訪問するのであれば事前連絡がいいでしょうね。
不在時はこの張り紙が置かれるようです。携帯番号は変わっているかもしれませんので、ぼかしておきますね。
日曜日は朝市が開かれているので、ワインのほかに地元産の野菜が並べられます。私は昼間の営業終了間際に行ったので終わっていましたが。あ、ワイナリーは15時までと閉まるのが早いので、こちらを最後に訪問するなら注意です。
山野峡大田ワイナリーには、「やまの宿 西元」という宿泊施設があります。いわゆる古民家ですね。貸し切りで泊まって、田舎暮らしを体験できます。
中を見学させていただきました。レトロな雰囲気が素敵ですよね。
お風呂は五右衛門風呂です。入り方もきちんと説明があります。
実際に汲み上げできる井戸や薪で炊くカマド(一升炊き)もあります。
庭にはたき火スペースもあり、バーベキューなどもできます。
「やまの宿 西元」の料金は素泊まりで1泊大人ひとり4400円(税込)。さらに山野峡ワインが1本ついてくるという破格のお値段です。家族や友人とのんびり過ごしたいならぜひ。
おまけ。山野峡大田ワイナリーにいたわんこです。
名称 | 山野峡大田ワイナリー |
住所 | 広島県福山市山野町862-5(MAP) |
電話 | 084-931-4572(株式会社福山健康舎代表番号) |
営業時間 | 8:00〜15:00(問い合わせが無難) |
定休日 | 基本的に日曜日のみの営業(問い合わせ)、冬期は休業 |
試飲 | 不定期で試飲会を開催 |
駐車場 | あり |
公式サイト | https://yamano-wine.com |
ワイナリー訪問はいわゆる「観光」とは違う
冒頭にも書きましたが、営業日・時間は私の訪問当時のものです。実際にワイナリー巡りをする際には、必ず事前に公式サイトか電話で営業時間を確認してくださいね。私は、サイト上に休みの記載がなかったのに、当日行ったら休みだったこともありました。でもそういうものなんです。
ワイナリーは基本的に農家なのでメインの仕事は畑作業です。ゆえに季節やタイミングによっては、突然休むこともあり得ます。普通の旅行・観光とは違うことは認識しておきましょう。よそのお宅におじゃまする感覚のほうが近いです。
でも時間が合えばどこも本当にフレンドリーで、積極的に案内してくださいます。ありがたいことです。「せっかく行ったのに見学させてもらえなかった」などと文句を言うのはスジ違い。どうしても見たい・聞きたいことがあるなら、事前連絡してお願いしてみましょう。節度を持って楽しいワイナリー巡りを!